物販クラウドファンディングで必要な認証手続(PSE・技適等)と保険

ガジェット商品を扱うときに必要になるケースが多い認証手続きとは?
成田光
コンセントがあるもの全般やBluetooth・Wi-Fi商品などは認証手続きが必須になります。

コンセントがある電気製品全般「PSE・電気用品安全法」

電気用品安全法の規制によってPSEマークがない電気製品の製造・輸入・販売は禁止されており、中古販売もできません。

違反した場合には100万円以下の罰金又は1年以下の懲役の罰則があります。

大企業による悪質重大な違反の場合には、最高1億円の罰金が貸される場合もあるため注意が必要です。

電気用品安全法の改正は2001年4月1日に施行されました。

そのため現在物販クラウドファンディングを行う際にコンセントがある電気製品全般を販売する場合には「PSE・電気用品安全法」に注意を払う必要があります。(乾電池のみで動作するものは対象外です。)

PSEとは?

PSEはProduct Safety, Electrical Appliance & Materials の略で、「電気製品が安全基準を満たしていることを表すマーク」です。

日本国内で電気製品を製造・輸入・販売するためには電気用品安全法に基づいて、安全基準を満たしていることを確認する必要があります。

その電気製品が検査の結果、安全基準を満たしていることを証明するのがPSEマークです。

なお菱形のPSEマーク(角PSE)と円形のPSEマーク(丸PSE)があります。

菱形のPSEマークは基本的に壁や天井にある100Vや200Vのコンセントに直接繋がり、危険度の高い電気製品(特定電気用品)が対象です。

一方円形のPSEマークは特定電気用品ほどの危険性はないものの、事故の危険性がある「特定電気用品以外の電気用品」が対象となります。

手続きの流れ

PES手続きの流れ

電気用品安全法施行令に定める電気用品にリストされるものが適用の対象となります。

製造または輸入事業の場合には届出・基準適合確認・適合性検査・自主検査・表示等を行います。

まず事業を開始する場合は 開始から30日以内に「事業届出」を行いましょう。

製造又は輸入する場合、電気用品について国が定める技術基準に適合させる必要があります。

次に製造又は輸入を行う電気用品が特定電気用品である場合には、さらに登録検査機関の適合性検査を受ける必要があります。

 

なお検査は「一般財財団法人 電気安全環境研究所」で受けることが可能です。

東京事業所・横浜事業所・関西事業所の3カ所の事業所があります。

検査は以下の2つから構成されています。

 

  • 技術基準への適合性の確認(タイプテスト)
  • 製造工場等の検査設備の確認

 

検査で作成した記録は3年間保存する必要があります。

そして最後に国が定めた表示(PSEマーク・事業者名・定格電流等)を表示しましょう。

成田光
これで販売が可能になります!手続きが面倒くさそうに思いますが、1度経験しておくと強みになりますよ!

 

費用と取得完了までの期間

最もシンプルな製品でも、最短でも2ヶ月、最低でも30万円程度の期間と費用がかかることを想定しておきましょう。

製品や規格によって大きく異なり1年以上かかるケースや、検査費用に100万円以上かかるケースもあります。

しかし費用と取得完了までの期間はケースバイケースです。

取るべき方法や状況によって期間と費用は大きく変わります。

「4ヶ月くらいと聞いていたのに、実際にはその倍は時間がかかった」というようなケースもあるので、PSEの対応を考えている方は早めに対応しましょう。

関東経済産業局とPSEインフォメーションセンターに確認

PSEの対応には自分が販売したい商品が丸PSEと角PSEに相当する製品なのかといった細かい判断が必要になります。

製造輸入事業者向けガイドで確認可能ですが、用語がわかりにくいため経済産業局やPSEインフォメーションセンターに電話・訪問して確認しましょう。

Bluetooth・WiFi「技術基準適合証明(技適)」

電波を発する比較的小規模な無線機器に対し適用されるのが技術基準適合証明(技適)です。

たとえばBluetooth製品・WiFi・スマホ・タクシー無線・アマチュア無線などが対象となっています。

技適の未承認の無線機器を日本国内で使用することは法令で禁止されているため、対象機器の物販クラウドファンディグを行う方は、技術基準適合証明を取得しなければなりません。

技適とは?

技適(技術基準適合証明)とは特定無線設備が電波法令の技術基準に適合していることを証明することを意味します。

「総務省令特定無線設備の技術適合証明等」に関する規則により実施されます。

 

電気通信事業法上の端末機器に対する技術基準適合認定という類似制度もあります。

技術基準適合認定も技適と呼ばれるため注意しましょう。

アナログ電話機やファクスなどさまざまな通信機器が対象です。

技術基準適合認定の方が緩い傾向があり、技術基準適合認定未承認の機器の使用は法的に禁止されていません。

技術基準適合証明と技術基準適合認定を混同して、販売する機器を技術基準適合認定の対象だと誤解し、未承認で販売することのないようにしましょう。

なおスマホの多くはどちらの技適も取得しています。

手続きの流れ

技術基準適合証明を取得するためには国の認証を受けた登録証明機関に検査をしてもらい合格する必要があります。

登録証明機関として有名なのは一般財団法人テレコムエンジニアリングセンターです。

このような登録証明機関にハードウェアを1台ずつ持ち込むか、量産される無線機器の場合には設計書面をベースに製品全体を包括的に審査してもらうことが可能です。

この方法で取得できる証明は工事設計認証と呼ばれます。

なお海外の端末メーカーが日本で無線機器を販売するといった場合には、日本がMRAと呼ばれる相互承認協定を締結している外国の評価機関で検査を受けることで技適マークを取得可能です。

費用と取得完了までの期間

費用はどの登録証明機関に検査を依頼するかによって異なりますが、基本料が初回は2万円、同じ条件で再申請する場合には1.3万円が相場になります。

そして基本料とは別にかかる検査料が1台目2.4万円、2台目以降は1.6万円です。

1台だけ検査した場合には4.4万円の費用がかかると考えておきましょう。

ただし抜き取り検査のため、たとえば20台審査を依頼しても、20台分の費用がかかるわけではありません。

 

工事設計認証の場合には基本料30万円と検査料9万円で39万円です。

通常の検査を500台受けると39万円程度になります。

500台以上販売するなら、工事設計認証を受けましょう。

なお技適を取得するまでの期間は申請から7〜15日程度です。

未就学児向けおもちゃ全般から調理家電まで「食品衛生法」

乳幼児が接触することによりその健康を損なう恐れがあるものとして厚生労働大臣が指定するおもちゃを販売するためには、食品衛生法に基づく検査に合格する必要があります。

食品衛生法では具体的な年齢の規定はありませんが、6歳未満を示すものとされます。

ただし製品の意匠・パッケージなどによっては、その限りではありません。

また食品に直接接触するジューサー・コーヒーメーカー・ジャー炊飯器などを販売する場合にも食品衛生法の基準を満たしている必要があります。

食品衛生法とは?

食品衛生法は日本において飲食によって生じる危害の発生を防止することを目的とする法律です。

厚生労働省と消費者庁が管轄官庁となっています。

食品と添加物などの基準・表示・検査などの原則を定めるほか、食器・容器・包装・乳幼児向け玩具・調理家具まで様々なモノが規制の対象となっています。

規制の対象となるか判断が難しい場合には事前に相談しましょう。

手続きの流れ

食品衛生法の規制対象となる商品を輸入する場合には、

 

  1. 事前相談
  2. 輸入届出書類の準備
  3. 貨物の到着
  4. 検疫所へ輸入届
  5. 検疫所における検査
  6. 検疫所の検査で検査不要となった場合は次のステップ。要検査になった場合には再度検査後に検査合格
  7. 食品等輸入届出済証発行
  8. 通関手続き

 

という流れになります。

なおステップ6で要検査になった場合には「命令検査」「自主検査」「モニタリング検査」のいずれかを行うことになり、合格できないと廃棄・積戻しなどの処理が必要になります。

費用と取得完了までの期間

要検査になった場合の「命令検査」「自主検査」の費用は検査を依頼する登録検査機関次第です。

検疫所が行うモニタリング検査は検査費用は無料で、検査期間は試験品が担当課に到着後7営業日〜3週間程度かかります。

 

税関で必要になる食品等輸入届出書とは?

食品等輸入届出書は、食品・食器具・乳幼児向けおもちゃ・容器・食品用包装材・食品製造用機械などの輸入に際して必要な書類で、輸入申告に先立って検疫所へ提出します。

記載内容は食品の品名・数量・重量・輸入者名住所・生産国・製造者名・輸出者名・積込港などです。

主にOEMクラファンで注意しておきたい「知的財産権」

OEMクラファンを行うと、オリジナル製品を持つことになります。

その際に注意が必要なのが知的財産権です。

知的財産権とは著作物などといった無体物について、その著作者がそれに対する複製などの行為に関して専有できる権利です。

意匠権登録で商品のデザインを保護

物品の形状や模様、色彩などのデザイン(意匠)を創作者の財産と位置づけ保護するのが意匠制度です。

意匠権による保護を受けるためには保護を受けようとする意匠について特許庁に意匠登録出願をし、意匠登録が必要になります。

所定の様式に基づいて記載された書類を特許庁に提出し、審査を受けましょう。

審査基準には以下のものがあります。

 

  • 今までにない新しい意匠であるか
  • 容易に創作をすることができたものではないか
  • 先に出願された意匠の一部と同一または類似はないか

 

商標権登録で商品名やロゴブランドを保護

商標は事業者が取り扱う商品・サービスを他人のものと区別するために使用するマークです。

消費者は商品の購入やサービスの利用時に商品名やロゴブランドを1つの目印として選びます。

そのため商標権登録を行い商品名やロゴブランドを保護するのが重要です。

商標登録を受けるには特許庁に出願します。

amazonやヨドバシ.comなどの一般販売時に備えてJANコードを登録

JANコードは「どの事業者のどの商品か」を表す世界共通の商品識別番号を指します。

JANコード

JANコードは事業者がGS1 Japanから貸与されたGS1事業者コードを用いて、商品ごとに設定するものです。

通常バーコードスキャナで読み取れるように、バーコードシンボルによって商品パッケージに表示されます。

一般販売時に備えるにはJANコードの登録が必要です。

不測の事態に備えた生産物賠償責任保険(PL保険)

製造物の欠陥により損害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めたのが製造物責任法(PL法)です。

たとえば物販クラウドファンディングで販売した商品が原因で消費者が怪我などした場合には、その製造者が責任を取る必要があります。

その損害をカバーするのが生産物賠償責任保険です。

PL保険とは?

PL保険は製造物責任法(PL法)により生じた損害をカバーする保険を指します。

PL保険の内容はサービスを提供する保険会社によって異なりますが、以下の内容をカバーすることが多いです。

 

  • 法律上の損害賠償金
  • 賠償責任に関する争訟費用
  • 損害防止軽減費用
  • 事故発生時の緊急措置費用
  • 弊社の要求に伴う協力費用

 

加入する保険会社はカバー内容を確認して、慎重に選びましょう。

手続きの流れ

PL保険には飲食に特化した保険や工事に特化した保険といった業界に特化した保険や保険料が高い代わりに補填上限額が大きいタイプなど様々なものがあります。

気になるPL保険のプランを見つけたら、その会社に問い合わせて手続きの流れを確認してください。

疑問点があったらミプロとジェトロを有効活用してみよう!

本記事で解説してきた内容は理解が難しいですが、理解が不十分なまま手続きを行うのはリスクがあります。

疑問点がある方はミプロ(一般財団法人 対日貿易投資交流促進協会)もしくはジェトロ(日本貿易振興機構)に相談しましょう。

ミプロとは?

ミプロは「輸入ビジネス」「対日投資」を支援するため、貿易・起業相談、セミナーの開催、情報提供などを行っている財団法人です。

電話相談、面談相談、Web相談でわからないことを相談できます。

成田光
相談は全て無料なので、使わない手はないですよ〜!

 

  • 電話相談受付時間:10:30-12:00/13:00-16:30 ( 土、日、祝日、年末年始を除く)
  • 面談相談受付時間:毎週月~金曜日 10:30~/13:00~/14:00~/15:00~

 

ジェトロとは?

ジェトロは経済産業省所管の独立行政法人です。

輸出入に関して経験豊富なアドバイザーに無料で相談できます。

相談方法はオンライン相談と電話相談です。

 

  • オンライン相談受付時間:24時間受付
  • 電話相談受付:9:00-12:00/13:00-17:00(土日・祝祭日・年末年始を除く)

 

成田光
成田もジェトロに問い合わせて詳細を教えてもらう事が多いです。

OMPの仲間たちと認証の情報共有して感度を高め合おう!

いかがでしたか?

クラファンを実施する上で欠かせない認証の知識。まずは、非認証系商品からスタートする方が多いですが、プロジェクトを積むにつれて認証系にトライしていくと、一気に競合が減るのでおすすめですよ。

Amazon販売やOEM・ODM販売をされる方にも必須な情報ですが、クラウドファンディングでメーカー商品を取り扱う際も必要な事がありますので注意してくださいね!

 

認証系にトライした事がないと「大丈夫かな?」と心配になりますが、いざやってみると「こんなものか。出来るじゃん!!」という自信にもつながりますよ!

成田のクライアントさん達のチャットワーク・OMPグループでは、個々人が経験した情報や悩みを適宜報告し合い、仲間達で切磋琢磨しながらクラファンをしています。

副業やネットビジネスで感じがちな孤独感を感じることなく、仲間達の刺激を受けながらビジネスをする環境ってすごく大事だと成田は思っています。

 

グループチャットではいくつものプロジェクトを経験した先輩方の意見もバンバン聞けるので、濃いリアルな情報を聞けます。

Amazonで垢バンリスクにおびえながらひとり黙々と孤独に作業しており、精神的につらいとOMPに入ってこられる方も少なくありません。

仲間たちと進捗状況を報告しあいながら、またお互いのプロジェクトにいいね!しあいながら一緒に盛り上げていくOMPの絆に最初驚かれる方もいらっしゃいます。

「同じ時期に入ってきたあの人がもうプロジェクト始めている!自分も契約とって早く起案したい!」と仲間の実績が奮闘するための起爆剤になるので頑張れる方もいらっしゃいます。

成田光

仲間と一緒に頑張れる環境は貴重ですよね!僕たちと一緒にクラファンやりませんか?

 

本記事では認証系についてまとめましたが、海外メーカーと交渉するにあたっての疑問点や不安を皆んなで共有したり、成田に質問して解決することでクラファンを始めるきっかけを作れたら幸いです。

お気軽にご相談ください。