【初心者編】リスクなしのクラウドファンディングの仕組みとは?

MakuakeやCAMPFIREなどの大手クラウドファンディングサービスがCMを積極的に行っていることから、「クラウドファンディング」という言葉が浸透してきました。

クラウドファンディングが日本で行われるようになったのは東日本大震災後ですから、ここ10年で急速に普及してきたことになります。

一方、このブログで主に扱っている物販クラファンについても、2019年頃から次のステージに進みたい物販事業者を中心に挑戦する人が増えています。

そこで、今回はクラファン初心者の方が最初に知りたいクラウドファンディングについて解説します。

 

成田光
在庫リスクなし、初期資金不要、価格競争なし、支援者都合のキャンセル・返金なしのクラウドファンディングの仕組みを簡単に解説します!

 

 

【この記事を読むことで得られるメリット】

  • クラウドファンディングの仕組みがわかる
  • クラウドファンディングがなぜ魅力的かわかる
  • クラウドファンディングの活用の仕方がわかる

共感してくれた支援者からスピーディーに資金調達

クラウドファンディングの資金調達

クラウドファンディングは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語です。

簡単に言うと、不特定多数の人にインターネットを介して資金調達してもらうことです。

クラウドファンディングが日本に浸透する前は、資金調達の方法と言うと、だいたい次の3パターンが主な手段でした。

  1. 銀行や公庫、信金からビジネスに必要なお金を借りる(融資)
  2. ベンチャーキャピタルや個人投資家から出資してもらう(出資・株式発行)
  3. 国や自治体から補助金・助成金を申請する(返済不要)

※②については、金融型のクラウドファンディングと近い仕組みになります。

もちろん、これらの方法は今現在も活用できて、物販でも融資や補助金は利用しない手はありません。

ただ、融資や補助金の場合は申請後の審査に時間がかかることがあり、また必ずしも審査が通るとは限りません。

融資や補助金の種類によっては、審査を通すハードルが高い場合があります。

しかし、クラウドファンディングでは、不特定多数の人に新商品・サービスや世の中の問題を解決する手段をPRし、共感した支援者からスピーディーに資金を募ることができます。

そのため、「こんなモノやサービスを作ります」「世の中の問題を解決したい」という共感されるアイディアや商品を持つ人が積極的にクラウドファンディングを利用するようになりました。

クラウドファンディングの基本的な仕組み

クラウドファンディングの基本的な仕組み

クラウドファンディングは、大まかに「購入型」「寄付型」「金融型」の3種類がありますが、いずれも以下の仕組みで成り立ちます。

  1. 起案者(実行者とも言います)がMakuakeなどのクラファンサイトでプロジェクトの内容を投稿・公開する
  2. 支援者(サポーターとも言います)がクラファンサイトでプロジェクトをチェックする
  3. 支援者は、共感したプロジェクトの起案者に対して支援金を支払う
  4. プロジェクト終了後、起案者はお礼としてリターン(返礼品)を支援者に送る

新商品を生み出す物販クラファンを例にすると、販売する商品をリターンに設定します。

そのため、支援者は商品を購入する前から商品を先行予約し、商品を受け取る前に先に支援金として商品代を支払います。

クラファンのルールでは、支援者都合のキャンセル・返金は認められません。

そして、起案者は支援金を原資として新商品を生産し、プロジェクト終了後に商品を送ります。

先行予約販売と一般販売

クラウドファンディングと先行予約販売

Amazonや楽天、実店舗などで販売することを一般販売と言うことに対し、クラファンなどで商品・サービスを販売する仕組みは先行予約販売になります。

これはちょうどコンサートや舞台でオフィシャルサイトから予約できるようにしてから、その後一般のプレイガイドで一般販売することに似ています。

コンサートや舞台の場合、先行予約販売の方が良い席を取れる可能性があります。

一般チケット販売になってからは、残った席を選ぶことになり、しかも売り切れてしまう可能性も出てきます。実際に当日券のない、売り切れているコンサートや舞台もあります。

これと似たように、クラファンの場合は先行予約販売にすることで、先に支援した人が割引率の高い状態で商品を購入することができます。

実際に物販系のクラファンプロジェクトを見るとわかりますが、リターン数を限定して割引率が30%、25%、20%と段階的になっていることがわかります。

そして、割引率の高いリターンから早く売れ、売り切れたら次に割引率の高いリターンを購入することになります。

つまり、早く予約した方が良い席を取れるということになるので、商品力が高くて事前に告知された商品ほどプロジェクト直後に支援が多く集まります。

もちろん、割引率を20~30%にしても十分利益が取れるように価格を設定します。

通常の物販と違う点は、販売価格をコントロールできる点にあり、しかもAmazonのような価格競争が起きない点にあります。

実際にクラファンに出品する商品は、仕入れ代金もメーカーとの交渉でコントロールできるので、利益率を高く設定することができます。

クラウドファンディング市場が拡大する理由

クラウドファンディングの市場

このようなことから、今後もクラウドファンディングで出品する起案者やプロジェクトに支援する支援者は増え続けるでしょう。

実際に購入型クラウドファンディング市場はコロナ禍の巣ごもり需要でいったん落ち着きを見せたものの、今もなお上昇傾向にあります。

クラウドファンディング市場の動向に関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。

物販事業者が知りたい国内クラウドファンディング市場の現状と未来予測

 

クラファン市場が拡大を続ける理由については、起案者にとってのメリット、支援者にとってのメリット両方ありますが、以下に解説します。

リスクなくテストマーケティング&PRできる

物販では、仕入れ代金の支払いなどで資金繰りに悩むところですが、先行予約販売となっているクラファンではほとんど悩まなくて良くなります。

物販では無在庫転売というものがありますが、商品遅延や商品の不具合などトラブルが発生しやすい方法です。

そのためメルカリやラクマでは無在庫転売は禁止されており、amazonでも規制が厳しく、社会的信用も低いです。

すでに世の中に流通している既製品を無在庫で販売するというのは、それだけリスクも大きいのです。

しかし、クラウドファンディングは、これから生産する商品に対して共感した人が支援するという前提です。そもそも資金調達のための手段なので、無在庫でも文句を言う人がいないのです。

そのため、生産メーカーや出品者から見たら、在庫リスクを抱えることなくどれだけ売れるかテストマーケティングしながら、商品をPRできるのです。

実際に支援を得られるだけでなく、クラファン終了後の卸取引が決まることも多いです。

新商品を開発したい国内メーカーや、海外の魅力的な新商品を日本で広めたいという方であれば絶好の手段です。

魅力的な新商品・サービスが次々と生まれる

購入型クラウドファンディングで出品できる商品は、基本的に新商品・サービスに限定されます。

この点は、起案者にとっても支援者にとっても大きなポイントです。

新商品を販売することは通常リスクを伴います。売れずに不良在庫を多く抱えれば大赤字ですが、結果は売ってみなければわからないところがあります。

そのため、新商品を開発したり、海外から魅力的な商品を仕入れたりすることに躊躇しがちです。

現状売れている既製品を売り続けている方が安定的な収益は見込めます。

しかし、クラウドファンディングは、不良在庫を抱えるリスクをなくしているわけですから、新商品を販売することに抵抗はなくなるので、クラウドファンディング市場には、たくさんの魅力的な新商品やサービスに溢れています。

クラウドファンディングの本当の醍醐味は、日本中、世界中のおもしろい新商品がどんどん開発されて、人の手に届けられることにあるとも言えます。

逆に言うと、いくら新商品といっても、新規性を感じられない商品はクラファンに出品できないように年々Makuakeなどのクラファンサイトの審査が厳しくなっています。

Makuake基本方針の要点は以下の3点。

  • プロジェクトの要素に「アタラシイ」があること
  • 実行者にとって「挑戦」や「ストーリー」があること
  • 基本条件をクリアしていること

「アタラシイ」については、「実行者自身や商品、サービスから、サポーターが享受する価値に明確な差異があるもの」と定義。既存商品・サービスと比較し、使い勝手を向上・デザイン性を高めた・素材を変えて環境に配慮した・既存技術の組み合わせによる新たな機能性を持たせた・新たな社会的価値を感じさせるコンテンツ・日本市場に初めて進出を果たしたなどのプロジェクトは「アタラシイ」と捉えるとする。

(中略)

「他社製造製品において不適切な流通」とは、「海外商品において日本市場独占契約を締結せず、日本市場での流通を実施すること」「商品を製造委託する場合において、実行者が創出をした「アタラシイ」が認められない商品でプロジェクトを実施すること」で、これらはMakuake上の展開が禁止される。

※出典:Impress Watch「Makuakeが基本方針発表。『海外輸入・OEM商品は明記する』」より抜粋

一時期流行した中国輸入の簡易OEMのように、酷似商品がたくさんあると出品できない可能性が高いので注意してください。

【まとめ】クラウドファンディングを通じてリスクなく新商品を売ろう

以上、クラウドファンディングの仕組みについて解説しました。

クラウドファンディングの仕組みから、誰でもリスクなく新商品・サービスに挑戦することが可能になりました。

しかも通常の物販のように在庫リスクを抱えることもなければ、価格競争を気にする必要もありません。

単発で終わりではなく、その後有名店舗に商品を卸したり自社で販売したりして安定的な収益も生み出すことができます。

その他、クラウドファンディングの概要については、以下の記事に詳しく掲載していますので合わせてご覧ください。

自宅で完結!在宅でできる成田式クラウドファンディングとは?

 

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