プロジェクトの最終的な支援金額など、実績をわかりやすく示せるクラウドファンディングは、実は融資や補助金・助成金の申請に有利なところがあります。
特に補助金や助成金は、融資と違って返済不要で、対象経費の何割か(上限あり)を支給してくれます。
比較的多くの事業者にあてはまる小規模事業者持続化補助金などの補助金の申請をしてみるのもいいでしょう。
さらに、クラウドファンディングは国が応援しているところもあり、最近は各自治体でクラウドファンディングに特化した補助金・助成金が増えてきています。
返済不要なので、自治体にあてはまる補助金や助成金があれば忘れずに申請するようにしましょう。
【この記事を読むことで得られるメリット】
クラウドファンディングに特化した補助金・助成金にどんなものがあるかがわかります。募集が終了しているものもありますが、再度募集されることがあるので、チェックするようにしてください。
クラウドファンディング活用助成金
クラウドファンディングの利用に伴う手数料やページ作成費用等の一部を支給することで、クラウドファンディング利用者のソーシャルビジネスへの挑戦を促進する助成金です。
助成金というと、厚生労働省の雇用関係の助成金を思い浮かべる方も多いと思いますが、この助成金の管轄は東京都です。
交付決定額が上限に達した時点で交付申請の受付を終了しますが、令和3年分は期限前に上限に達して受付を終了しています。
令和4年分の募集については今のところ未定ですが、利用手数料等が実質的に一部免除になるので、募集するなら利用しない手はありません。
もし今後も募集がある場合は、また期限前に受付を終了する可能性があるので、早めに申請してみてください。
令和4年以降も募集がある可能性があるので、以下に簡単に、令和3年分をベースに概要をお伝えします。
申請できるのは東京都民だけなのか?
令和3年分の助成金の申請要件には、次のような記載があるため、「自分は東京に住んでないからだめなのか?」と考えた人もいるでしょう。
東京都内に本店若しくは主たる事業所を置き、東京都内で事業を行う事業者であること(東京都内で事業を行う計画を有する創業希望者・事業者を含む)。
しかし、これは購入型クラウドファンディングの場合は、1人でも支援者に東京で事業をやっている人がいれば東京都民でなくても大丈夫なようです。
実際に、このクラウドファンディング活用助成金を運営する銀座セカンドライフ株式会社のサイトを見ると、次のようなことがはっきり書かれています。
・本店や事務所が、東京になくても申請可能
※出典:銀座セカンドライフ「ゆる起業完全ガイド」より
令和4年以降はどのようになるかは不明ですが、自分が対象かどうか気になる場合は問い合わせて確認してみてください。
助成対象経費(令和3年分)
(1)利用手数料、決済手数料、早期振込手数料
(2)CF事業者の運営サイト上でプロジェクトを紹介するページ(プロジェクトページ)を作成するための費用
(3)プロジェクトの広報活動に対するアドバイスを受けるための費用
※東京都のホームページから抜粋
なお、助成対象経費で言われているCF事業者とは、以下の主要なクラウドファンディングサイトです。
【助成対象経費のクラファンサイト】
- A-port
- BOOSTER
- CAMPFIRE
- GoodMorning
- GREEN FUNDING
- JAPANKURU FUNDING
- kibidango
- Makuake
- MOTION GALLERY
- READYFOR
このように、物販クラファンをやる方であればよく利用するMakuake、GREEN FUNDING、CAMPFIREも対象です。
助成金申請可能時期
リターン提供を終了して、クラウドファンディングにかかった手数料を支払った時点で申請可能です。
助成金額
令和3年分は、次の2つのパターンがありました。
- 通常は助成対象経費の1/2(上限40万円)
- 新型コロナウイルス感染症対策特例(※)に該当する場合は助成対象経費の2/3(上限50万円)
※新型コロナウイルス感染症に伴い、発生・顕在化した社会的課題の解決に資するソーシャルビジネスを行う者
②に関しては令和4年以降あるかどうかわかりませんが、どちらにしても物販クラファンをする方は、通常の助成金額の対象となります。
例えばMakuakeの手数料は20%ですから、200万円の支援金(売上)があれば、手数料は40万円になるので、手数料だけで上限に達します。
クラウドファンディング活用助成金の注意点
クラウドファンディング活用助成金の注意点としては、対象年度内に1回しか申請できず、1回に複数のプロジェクトを申請することができない点です。
そのため、クラファンサイトの利用手数料は支援金額によって変わりますから、なるべく助成金額の上限に達したプロジェクトで申請するようにしましょう。
ただし、令和4年以降は若干の変更点があるかもしれないので、詳しくは東京都のホームページなどを確認するようにしてください。
申請要件を満たしていれば、申請すれば受給される
クラウドファンディング活用助成金については、基本的に申請さえすれば該当する助成金額を受給されます。
どういうことかというと、基本的に補助金は、新しい事業を行うような場合に、妥当性が審査され、申請要件を満たしていても採択されない可能性があります。
一方、クラウドファンディング活用助成金は、申請要件を満たしていれば、審査が入るようなことはなく、基本的に助成金額が受給されます。
その他のクラウドファンディング活用支援を目的とした補助金
他にも、クラウドファンディング活用支援を目的とした補助金はあります。多くはクラウドファンディング活用助成金に近いものです。
お住まいの自治体でクラウドファンディング関連の補助金・助成金がないか探してみてください。以下、一例を挙げます。
クラウドファンディング活用支援補助金(千葉市)
対象者 | 千葉市内で創業する者及び中小企業者等(組合、NPO法人、個人事業主を含む) |
対象事業 | 創業して行う事業、新商品や新サービスの企画、開発及び新たな事業分野への展開等 |
対象経費 | クラウドファンディング仲介事業者へ支払う初期費用、ウェブ制作費用、PR費用等 |
補助金額 | 使用した経費の1/2(上限額:25万円) |
なお、この補助金は商品力、ターゲット設定、遂行力、採算性、発展性、経営姿勢などが審査されますので、事業計画書(様式2)で何を書くかが重要になります。
クラウドファンディング活用資金調達事業支援補助金(東京都千代田区)
先ほどお伝えしたクラウドファンディング活用助成金の上乗せ補助にあたる制度です。
対象者 | 千代田区内に本店登記がある中小法人、事業所のある個人事業主、千代田区内で創業予定 |
対象事業 | クラウドファンディング活用助成金を支給された人 |
対象経費 | クラウドファンディング事業者に支払った利用手数料(ただし、クラウドファンディング活用助成金の支給額を差し引いた額) |
補助金額 | 使用した経費の1/2(上限額:15万円) |
その他のクラウドファンディング関係の補助金
他にも、クラウドファンディング関係の補助金については、全国の自治体で実施されているので、お住まいの自治体でチェックしたり、確認したりするようにしてみてください。
多くは利用手数料やページ作成にかかった費用を補填する補助金です。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- 三原市クラウドファンディング利用手数料補助金(広島県三島市)
- クラウドファンディング活用支援事業補助金(広島県福山市、福島県田村市等各自治体)
【まとめ】補助金・助成金が活用できないか確認してみよう
以上、クラウドファンディングに特化した補助金や助成金についてお伝えしました。
このように、クラウドファンディングは国が応援しているところもあるので、補助金や助成金で支援する自治体が増えています。
今回紹介した補助金・助成金以外にも、クラウドファンディングに特化した補助金や助成金のある自治体があります。
そのため、お住まいの地域に、該当する補助金や助成金がないか探してみてください。
補填された補助金や助成金については、次回のプロジェクトの広告費に回すなど、せっかくなので有効に活用していきましょう。
その他の補助金(小規模事業者持続化補助金など)や、融資に関する話は、以下の記事に詳しく書いています。
融資や補助金も積極的に利用してビジネスを加速させていってください。
なお、物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。