海外メーカー仕入れなど、輸入ビジネスの利益計算では、国内の物販に比べると、海外送料や関税・輸入消費税などの費用を含めて計算しないといけません。
ただ、海外送料については、少し目安がわかりづらく、どのように計算したらいいかわからないところがあると思います。
仕入れる前の利益計算の段階では、どのように考えればいいか、航空便と船便に分けてお伝えします。
航空便は発送期間が短い分、送料は船便より高くなります(航空便の発送期間が1週間程度、船便は2週間~1ヶ月程度)。
なお、利益計算するときは、最終的に赤字にならないようにすることが重要なので、海外送料については、少し高めに設定して計算します。
より正確に見積もる際は、配送キャリアに見積もりを取るようにしてください。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- 海外送料の目安がわかる
- 航空便にするか船便にするかの判断材料になる
- 船便のコンテナ便と混載便の違いがわかる
航空便の海外送料
利益計算するときの航空便の送料の目安については、次の計算式を使います。
この計算式の右辺にある、商品の重さと1kgあたりの送料についてお伝えします。
商品の重さ
送料を決める際の商品の重さについては、実重量と容積重量という2つの考え方があります。
実重量 | 荷物を量りにのせて測定したときの重量 |
容積重量 | 荷物のサイズから換算される重量 |
航空便については、基本的にはFedExやDHLの二択になりますが、どちらを利用するにしても、実重量と容積重量のどちらか重い方を採用して送料が決定されます。
Amazonで売られている商品であれば、量りにのせて測定した重量も商品サイズも商品ページに掲載されています。
商品ページか、FBA料金シミュレーターで確認するようにしてください。
容積重量については、FedEx やDHLの場合は、以下の計算式で換算します。
この計算式で求めた容積重量と、実重量で大きな方を採用します。
サイズを5,000で割る理由については、こういうものだと思ってください。
FedEx やDHLなど、多くの場合は係数が5,000ですが、一部の中国や日本の物流会社の場合は6,000になることがあります。
なお、FedExを使った場合とDHLを使った場合でどちらの送料が安いかというと、これは条件によって変わってきます。
実際に仕入れる場合は、各々の条件で両方比較してみるといいでしょう。
1kgあたりの送料の考え方
1kgあたりの送料については、1000円/kgで見積もれば、まず赤字になることはありません。
仕入数や発送する国によって大きく違い、アメリカの航空便の送料は、だいたい中国の1.5~2倍くらいかかります。
仕入数によっても、1kgあたりの送料は大きく変わり、仕入数が多ければ送料は下がります。
MOQが大きい商品を扱うような場合は送料を安く抑えることができます。
ただ、これらのことを加味しても、仕入れの判断をする段階では、1,000円/kgで考えれば問題ないでしょう。
船便(コンテナ便:FCL貨物)の海外送料
船便は配送期間がかかりますが、航空便より送料が遥かに安価です。
算出方法が違うので単純比較はできませんが、目安については、船便は航空便のだいたい半分くらいの費用感です。
また、航空便では送れないような商品でも、船便であれば送れるようなこともあります。
船便には、大きく分けて混載便(LCL貨物)とコンテナ便(FCL貨物)に分けられますが、まずはコンテナ便についてお伝えします。
コンテナ便は、20フィートか40フィートのコンテナに詰め放題のイメージです。
詰め放題ということは、逆に荷物量が少ないと送料が割高になってしまうということなので、商品サイズと仕入数を考慮するようにしましょう。
また、航空便では実重量と容積重量のどちらか重い方が基準になることに対して、船便は容積重量から算出されます。
そのため、サイズあたりの重量が重い荷物であれば、船便の方が、よりコスパが良くなります。
配送期間はもちろんのこと、商品の特性も考慮して航空便にするか船便にするか決めましょう。
20フィートコンテナの規格
ISO規格の20フィートの海上コンテナの規格は決まっており、以下のサイズです。
外寸 | 最小内寸 | |
長さ | 6.058m | 5.867m |
幅 | 2.438m | 2.330m |
高さ | 2.591m | 2.350m |
最小内寸で容積を計算すると、だいたい32m3になる計算です。
マンションの部屋の大きさで言えば、だいたい1Rで8.5畳の大きさの部屋をイメージするといいくらいです。
車1台であれば、余裕で入ってしまうくらいの大きさです。
40フィートコンテナの規格
ISO規格の20フィートの海上コンテナの規格は、おおむね以下のサイズです。
外寸 | 最小内寸 | |
長さ | 12.192m | 11.998m |
幅 | 2.438m | 2.330m |
高さ | 2.896m | 2.655m |
これを見ればわかるように、ちょうど20フィートコンテナの長さが2倍くらいになった大きさです。
20フィートコンテナを2つ並べて重ねたくらいをイメージすればいいでしょう。
つまり、部屋の大きさに例えれば17畳、6畳の部屋3つ分くらいのスペースになるので、かなり大きなスペースの大きさになることがわかります。
40フィートハイキューブコンテナの規格
40フィートコンテナには2種類あり、下記のように、40フィートコンテナより30cmほど高い40フィートハイキューブコンテナというものがあります。
外寸 | 最小内寸 | |
長さ | 12.192m | 11.998m |
幅 | 2.438m | 2.330m |
高さ | 2.896m | 2.655m |
送料の目安を考える際は、40フィートコンテナと同じように考えれば大丈夫です。
送料の目安
20フィートコンテナと40フィートコンテナの送料の目安としては、中国から日本に送ってもらう場合を想定すると
- 20フィートコンテナ:30万円前後
- 40フィートコンテナ:50万円前後
このくらいが目安となります。
コンテナに荷物をうまく詰め込んだ場合を想定すると、送料が航空便の半分くらいになると考えてください。
クラファンのリターン配送など、工程的に余裕のある商品を一度に大量に輸入する場合は、船便を検討してもいいでしょう。
また、後述する混載便よりもコンテナ便の方が、他の荷物を振り分ける作業が発生しないので、配送期間は混載便より短くなります。
だいたい目安は2週間程度というところです。
船便(混載便:LCL貨物)の海外送料
コンテナ便が、一荷主が1つのコンテナを貸し切って大口貨物を運ぶことに対して、混載便は1つのコンテナを他の荷物と混ぜて送る方法です。
少量輸送では割高になるコンテナ便に対して、混載便は、他の荷物と混ぜて送ることになるので、少量輸送ではコンテナ便より割安になります。
20フィートコンテナで配送するほどの量でない場合は、混載便も検討の余地があります。
1m3あたりの送料は、ノーマル便(1ヶ月以上)では2万円程度、速達便(2~3週間程度)は3万円程度です。
ただし、混載便は他の商品と混ぜて輸送するので、商品破損リスクが高く、配送期間がコンテナ便より長くなるので注意が必要です。
【まとめ】海外送料の大まかな目安を押さえておこう
以上、航空便と船便に分けて、利益計算時の海外送料の目安についてお伝えしました。
保守的に利益計算をするのであれば、送料の高い航空便の目安で利益計算するといいでしょう。
ただし、実際の仕入れ時では仕入数や配送期間などを考慮して配送手段を決めるようにしましょう。
保守的に利益計算しておけば、思った以上に送料を抑えることができて、利益率が上がることも考えられます。
なお、輸送手段についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
なお、海外メーカーと独占契約を結んで新商品を仕入れる物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。
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