クラウドファンディングにも、様々なトラブル事例があります。
起案者にとって、支援者が起こすトラブルは避けるのは難しいですが、起案者のミスでトラブルが起きるようなことは避けたいものです。
購入型クラウドファンディングでは、プロジェクトが終了した後のリターンの提供について気を付けなければいけません。
そこで今回は、購入型クラウドファンディングで想定されるリターン提供時のトラブル対策についてお伝えします。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- 購入型クラウドファンディングのトラブルの予防策がわかる
- プロジェクト終了後にトラブルが発生した際の対策がわかる
購入型クラウドファンディングで想定されるトラブル
※消費者庁「クラウドファンディングの動向整理」より抜粋
冒頭でもお伝えしましたが、購入型・寄付型クラウドファンディングのトラブルで、もっとも多いのが上図のようにリターンの提供に関することです。
調査結果から、次のようなリターン提供時のトラブルが想定できることがわかります。
- リターンの提供時期が遅れた
- リターンの内容・仕様が説明されていたものと違った
- リターンが不良品だった、壊れていた
- リターンの数が違った、不足があった
- リターンの内容が変更された
- リターンが提供されなかった
また、同じ資料の抜粋になりますが、支援者は「リターンの提供」に関して不安を持っていることもわかります。
※消費者庁「クラウドファンディングの動向整理」より抜粋
- リターンの提供が遅延しないか
- リターンが得られなかったとき等に返金されるか
- リターンの機能、仕様等が変更されないか
プロジェクト終了後は、リターンを滞りなく行い、万が一発送遅延などのトラブルが起きたときは、誠実な対応が求められます。
トラブルを防止するメーカーリサーチ&交渉の3つの重要ポイント
リターンに関するトラブルリスクは完全にゼロにすることはできませんが、メーカーリサーチの段階でリスクは最小限に抑えられます。
つまり、「ここなら発送が遅れないだろう」「品質を担保してくれるだろう」というメーカーにアプローチすることです。
メーカーリサーチする際は、次の4点に問題なければ、リターン品の発送が遅れたり、不良品や違う商品が届いたりするリスクを抑えられます。
- メーカーの商品生産経験
- 商品の品質確認
- メーカー担当者の対応
- そもそも技術的に生産可能な商品なのか
ただ、「どうやって確認していけば良いの?」となるでしょう。
そこで、リターンでトラブルが起きないメーカー選びをするポイントをお伝えしていきます。
一般販売を開始しているメーカーにアプローチ
クラファンに適したメーカーを探す際、だいたい次のような海外クラファンサイトでリサーチします。
- Kickstarter
- Indiegogo
- Amazon launch pad
※以下の記事で詳しく紹介しています。
つまり、すでに海外でクラファンを実施しているメーカーをリサーチしますが、クラファンを実施するメーカーの多くは新興メーカーです。
そのため、法人だけでなく個人事業主でも独占契約を結びやすいので、本業を辞めずに副業からでも全然問題なくできるメリットがあります。
しかし、一方で新興メーカーなだけに、生産能力に不安のあるメーカーが存在するデメリットがあります。
そのため、すでにリターンまで完了しており、一般販売を開始している商品のメーカーにアプローチしましょう。
リターンが無事終了し、一般販売を開始している商品は、トラブルが発生する可能性が低いためです。
また、プロジェクトのコメント欄が炎上していないかどうかもチェックしてください。
もしコメント欄が炎上しており、メーカー側が真摯に対応している気配がなければ見送った方が良いです。
発送遅延、不良品の発生など、何らかのトラブルが起きている可能性があります。
返信も遅く、対応がイマイチなメーカーは見送る
メーカーからの納品が遅いというトラブルについても、メーカー担当者の対応を見て、ある程度判断できます。
私の経験上、納期を守らないメーカーは、だいたい返信も遅く、対応もイマイチです。
そもそも、対応がイマイチなメーカーとは、一緒に長くビジネスを続けるは難しいので、なにか違和感を覚えたら、契約交渉をやめる勇気も持ちましょう。
もちろん、よく話し合いをせずにやめるのは良くないですが、何回話し合っても噛み合わない場合は、無理に契約する必要はありません。
プロジェクト開始前に商品サンプルを取り寄せる
商品サンプルについては、当然ながらプロジェクト終了後ではなく、プロジェクトの準備段階で確認するようにしましょう。
クラファンサイトに出品連絡する前に、品質上問題なかったり、実際のモノと違ったりしていないか検品をします。
検品するだけでなく、商品の良さをクラファンサイトでどのように表現していくか考えるうえでも、実物があると役に立ちます。
もしトラブルが発生したらどうする?
上記のように、リターン提供時のトラブルを最小限に抑えることは可能です。
しかし、トラブルが発生しないリスクはゼロではありません。
しっかりメーカーリサーチをしても、十分な基幹的な余裕を持ってリターン品を発注するにしても、発送が遅れたり、不良品が届いたりするリスクはあります。
その場合は、どのように対応すれば良いでしょうか?
リターンの配送が遅れそうな場合は迅速に状況報告
もし、発送が期日よりも遅れてしまいそうになった場合は、早めに進捗状況を報告するようにしましょう。
配送遅延のお知らせは、早ければ早いほど支援者が安心するので、クレームにならない傾向にあります。
遅延しているのに、報告が遅れれば炎上しますが、迅速な進捗報告を心がけることで、むしろ支援者からの信頼を獲得できることがあります。
ピンチをチャンスに変えるという心づもりで、誠実に対応してください。
なお、プロジェクト終了からリターンまでの手順は、とても重要なので、1記事としてまとめています。
こちらも併せてご覧ください。
「不良品」「発送されない」なら誠実に返金対応する
クラウドファンディングというと、基本的に「支援者は返品交換や返金を求めることはできない」と思う方も多いでしょう。
たしかに基本的には、クラファンサイトの規約で、支援者は返品交換や返金を求めることはできません。
しかし、これはあくまで「お客様都合」という条件が付きます。
リターン品の不良が発覚したり、発送されなかったりすれば、いくら海外メーカー側の落ち度とは言え、起案者の責任です。
メーカーリサーチの時点で、トラブルは極力減らすことはできますが、万が一の場合がないとは限りません。
起案者側の責任であれば、誠実に返品・返金対応を行うようにしましょう。もちろん、交換することで済めば交換するようにしましょう。
こちらも、誠実に対応すれば炎上騒ぎになることはありませんし、真摯に対応することで信頼を得ることができます。
また、もしメーカーに商品代金を支払っているのであれば、早めに返金対応をしてください。
【補足】コロナの配送の影響について
たまに「コロナの影響で発送が遅れるようなことはありませんか?」と聞かれることがあります。
しかし、今は生産や配送に関してコロナの影響はおさまっているので、心配するほどのことではありません。
そもそも、コロナによる発送遅延は、支援者にも理解されますので、上記のように真摯な対応していれば大丈夫です。
【まとめ】成田式・購入型クラファン無料相談受付中
以上、購入型クラウドファンディングで想定される、リターン提供時のトラブル対策についてお伝えしました。
海外メーカーというと、「しっかり対応してくれるのかな?」と不安になる方もいますが、ある程度判断材料があるのがわかったかと思います。
メーカーリサーチのときは、魅力的な商品を探すのはもちろん、本記事でお伝えした観点でリサーチするとリスクを極力抑えられます。
また、実際に発送遅延や不良発覚があった場合は、真摯に対応すれば大きく信頼を落とすようなことはありません。
実際にクラファンを通じて物販をする場合は、参考にしていただければ幸いです。
なお、無料相談は随時受け付けていますので、興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。