クラウドファンディングを初めて利用するとき、「クラファンは炎上しないか?」と懸念する方は多いかもしれません。
たしかに、クラウドファンディングは過去に炎上騒ぎになり、結局プロジェクトを中止したような例があります。
ただ、このような炎上騒ぎのほとんどは、私たちの購入型クラファンとは違うタイプのクラウドファンディングです(クラファンにも様々種類があります)。
また、クラファン自体はそんなに炎上騒ぎが頻繁に起きるものではなく、むしろクラファンは、炎上やクレームは起きにくい特徴があります。
今回は、購入型クラファンとは少し趣の違う話もありますが、クラファンの炎上事例を教訓とし、購入型クラファンで炎上に注意する点を解説します。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- クラウドファンディングでなぜ炎上するかがわかる
- 購入型クラファンで炎上を防ぐポイントがわかる
クラウドファンディングの炎上事例
購入型クラファン以外の事例ばかりですが、比較的有名なクラウドファンディングの炎上事例について一部お伝えします。
「火のない所に煙は立たぬ」という言葉の通り、炎上したプロジェクトについては、必ず理由があります。
世界一周「夢バトン」プロジェクト
大学で児童教育を専攻しているという女子大生が、クラウドファンディングを通じて、あるプロジェクトを募ります。
「あなたの夢と世界中の子どもの夢をつなげたい」という、世界一周「夢バトン」プロジェクト。
具体的な内容は、30,000円以上の支援をした人にスケッチブックを送り、1ページ目に自分の夢と発展途上国の子どもたちへのメッセージを書いてもらう。
そして女子大生は、そのスケッチブックを持って世界一周をしながら、途上国の子どもたちに続きのページに自分の夢を描いてもらいバトンをつなぐという内容です。
支援金の使い道は、この「夢バトン」プロジェクトの10ヶ月間の活動費で、目標金額は160万円。
一種の寄付型クラウドファンディングですが、資金の使い道が、世界一周旅行中のカメラ代、生活費、旅費と、私的な利用だったのが問題でした。
「他人の金で旅行したいだけ」
「途上国の子どもに何も還元されない」
「起案者にしかメリットがない」
と批判が殺到し、炎上してしまいます。
その後、他にも様々な問題が発覚し、炎上後の対応も、Twitterで批判的な人に対して挑発的なコメントをしてしまい、さらに炎上を加速させてしまいました。
結局、「夢バトン」プロジェクトは中止してしまいます。
「スラム街の暮らしを肌で感じたい!」プロジェクト
「夢バトン」プロジェクトと似たような炎上事例が、男子学生3名が企画した「スラム街の暮らしを肌で感じたい」プロジェクトです。
目標金額は、「夢バトン」プロジェクトよりは、かなり低額な25万円。
「フィリピンのスラム街がどんなところか見たい」
「スラム街の子どもたちに夢を与えたい」
という内容で、具体的には現地の子どもたちに日本語を教えたり、日本やフィリピンの遊びを一緒にしたりというものです。
リターンは、道中の様子を撮影したドキュメンタリー映像を提供するというもの。
一部では好意的で、理解を示す意見があったものの、
「旅行行きたきゃバイトして自分の金で行け」
「生きることで精一杯の子供たちに、旅行気分で夢を語るのはおかしい」
と大炎上してしまい、結局このプロジェクトは中止になりました。
出産費用をクラウドファンディング
とある大学生が、「彼女が妊娠して学生結婚しました。学業に専念しないといけなく、出産費用がないので支援を募ります」とクラファンを立ち上げました。
しかし「学生結婚&出産は大変ですね。支援しましょう」とはならず、その後の起案者のTwitterの投稿も印象が悪く、結局大炎上してしまいました。
このプロジェクトは中止にはならず、50,000円弱ほどの支援金が集まったらしいです。
しかし、「学業に専念する」と言いながら、この大学生はクラファン終了後に留年してしまったらしく、再び大炎上してしまいました。
【教訓】寄付型クラウドファンディングの炎上から考える購入型クラファンの炎上対策
他にもクラウドファンディングは炎上事例があり、なかには芸能人が立ち上げたクラファンが炎上した例もあります。
ただ、他の炎上事例は、私の知る限りどれも似たようなところがあるので、上記の3つだけ紹介しておけば十分かと思います。
もしかしたら事実は別のところにあり、起案者の意図しない形で炎上した可能性はありますが、少なくとも起案者側の姿勢に改善の余地があるように見受けられます。
購入型クラファンで想定しうる炎上とは少し趣が違いますが、次のような教訓は得ることができます。
海外メーカー、起案者、支援者がwin-win-winの関係であること
紹介した3つの炎上事例はどれも起案者と支援者にとって、win-winの状態にはなっていないように見えます。
どれも一方的に「自分が旅行したいからお金欲しい」「生活費が欲しい」と一方的に受け取るだけの稚拙な印象を与えてしまっています。
購入型クラファンは、支援金と同等の価値のある商品をリターンとするので、リターンの透明性が高く、win-winの関係は基本的には成り立っています。
ただ、クラファンのLPで景品表示法に抵触するような虚偽表現をしてまで、購買意欲を掻き立てるようなことをすれば当然win-winとは言えません。
また、後述するように何かトラブルが起きたときに、誠実な対応をすることなく、支援者に損な気分をさせてしまっては炎上してしまいます。
日本市場に進出したい海外メーカーの商品を、クラファンを通じて売れることを証明し、支援者はリターンを得て喜ぶ。
そんなwin-win-winの関係を築けるのが、購入型クラファンの良いところと思っています。
支援者にとってのメリットを伝えること
紹介した3つの炎上事例の、何が一番まずかったかというと、支援者にとってのメリットをしっかりと伝えられなかったことです。
少なくとも、「自分が旅行したいだけではないか」「生活費が欲しいだけではないか」と思われただけで、炎上は得られても支援は得られませんでした。
例えば「夢バトン」プロジェクトであれば、支援者に「途上国の子どもに何か貢献できる」と思わせることができれば、状況は変わったかもしれません。
「スラム街の暮らしを肌で感じたい!」プロジェクトについても同様です。
寄付型クラウドファンディングの場合、基本的に「支援することで、世の中に貢献できる」ということが支援者のメリットになります。
これが伝わらなければ、プロジェクトは失敗します。
この点で言えば、購入型クラファンの場合はもっとシビアになります。
支援者がリターンを受けとることで、どんなメリットがあるのか? 今までの類似商品と何が違うのか?
ということをプロジェクト立ち上げの時点で伝えなければいけません。
そうでなければ炎上が起きることはなくても、誰も支援してくれないのでプロジェクトが失敗します。
この点は、これまでの転売ビジネスやメーカー仕入れにはなかったポイントです。
訴求力を高める方法は、次の記事で詳しく書いています。
トラブルが起きたら誠実に対応すること
紹介した3つのトラブル事例は、炎上後の起案者の対応が稚拙なところがあったようです。
例えば世界一周「夢バトン」プロジェクトの場合、批判的なTwitterユーザーに対し、挑発的なツイートをして火に油を注ぐようなことをしていました。
購入型クラファンでも、炎上事例がまったくないわけではありません。
物販ですから、リターン品の発送遅延や、違う商品を送ってしまったり、不具合が発生したりするリスクはあります(単純転売に比べればかなり低いですが)。
ただ、トラブルを極力抑えるような方法はありますし、万が一トラブルが発生した場合も、対応方法の型があります。
何かトラブルが起きた場合は、冷静かつ誠実に対応できれば、まず炎上が起きることはありません。
次の記事で詳しく書いていますので、併せてご覧ください。
【まとめ】トラブルが起きたら冷静、誠実な対応を
以上、クラウドファンディングの炎上事例を教訓として、購入型クラファンの炎上対策についてお伝えしました。
- 海外メーカー、起案者、支援者がwin-win-winの関係であること
- 支援者にとってのメリットを伝えること
- 万が一トラブルが起きたら誠実に対応すること
これができれば、まず購入型クラファンで炎上が起きることはありませんので、トラブル対策を知ったうえで正々堂々とクラファンに挑戦していきましょう。
購入型クラファンにご興味のある方へ無料相談は随時受け付けていますので、随時お問合せフォームより気軽にご連絡ください。