輸入ビジネスで気を付けたい代表的な輸入禁止品(関税法、ワシントン条約)

成田光
輸入ビジネスには、どんな理由があろうとも輸入が禁止されている商品があります。

国内の物販と違って、輸入ビジネスは関税や輸入消費税だけでなく、法律に注意しなければなりません。

 

輸入に関する法律には、大きく分けて輸入禁止と、輸入規制があります。混同されやすいですが、輸入ビジネスでは明確な違いを理解しておく必要があります。

 

主な関連する法律・国際条約
輸入禁止品輸入が禁止されている商品関税法、ワシントン条約
輸入規制品申請、認可を受ければ輸入できる商品電気用品安全法(PSE法)、電波法(技適)、食品衛生法、薬機法

 

輸入規制については、別記事で詳しくお伝えしているので、今回は輸入禁止品について詳しくお伝えします。

 

輸入禁止については、無条件に理由なく輸入が禁止されているので、輸入したら罪に問われることになります(ほとんどは税関で止められるはずですが、稀に税関をスルーすることもあるらしいです)。

 

PSE法や電波法、食品衛生法のように規制を突破できるものではなく、本記事でお伝えした商品については、無条件で「輸入しない」しか選択肢がありません。

 

しかし、案外輸入禁止品かどうか微妙なケースもありますので、本記事で詳しくお伝えしていきます。

 

【この記事を読むことで得られるメリット】

  • 輸入禁止品について理解を深めることができる
  • 輸入禁止かどうか微妙なモノがわかる
  • 法律を守りながら輸入ビジネスを行うことができる

関税法により輸入が禁止されている商品

関税法

関税法第69条の11より、輸入が禁止されている商品は次の通りです。

 

  1. 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、あへん吸煙具
  2. 指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)
  3. けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
  4. 爆発物
  5. 火薬類
  6. 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
  7. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等
  8. 貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード(生カードを含む)
  9. 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
  10. 児童ポルノ
  11. 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
  12. 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品

※税関ホームページ「輸入禁止・規制品目」から引用

 

Amazonや楽天、メルカリで販売が禁止されている商品がほとんどで、ご存知の方も多いでしょう。そもそも「こんなもの輸入するわけがないじゃないか」という商品が大半かと思います。

 

例えば麻薬や覚せい剤、児童ポルノ、現金や有価商品の偽造品なんかは、常識的に考えてNGであることがわかります。

 

しかし、なかには判断に迷う微妙なケースもあり、注意しなければいけない商品もあります。

 

また、関税法の条文を見てみても、「これはどういう意味?」と理解しにくい部分もあります。

 

そのあたりについて、詳しく解説していきます。

 

ただ、詳しいことについては、必ずジェトロやミプロに問い合わせるなど、確実に確認するようにしてください。

指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)

関税法の指定薬物

関税法では、薬物については、「医療等の用途に供するために輸入するものを除く」とありますが、だからといって輸入できるわけではありません。

 

医療用の用途の場合は、薬機法の規制を受けるためです。

 

薬機法の規制の対象となる医薬品、医薬部外品は、販売目的では輸入できません。

 

けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品

関税法と銃器

「けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品」とは、つまり殺傷能力のある武器や兵器といったモノです。

 

輸入してはいけないのは言うまでもないですね……。

 

と言いたいところですが、「殺傷能力がなければ良いのでは?」という疑問が湧いてくる方もいると思います。

 

例えばエアガン、エアソフトガン、おもちゃの銃ですね。一見すると大丈夫な気がしますし、Amazonなどを見ても売られています。

 

しかし、これらの銃についても関税法だけでなく、次のように他の法律も関わってくるので十分注意しないといけません。

 

銃刀法の規制

実はエアガンについては結構銃刀法の規制が厳しいところがあり、準空気銃の基準を超えていると輸入・所持ができません(銃刀法第21条の3「準空気銃の所持の禁止」)。

 

準空気銃の基準とは、銃刀法施行規則第99条「人を傷害し得る弾丸の運動エネルギーの値」の通りに計算された運動エネルギーの値です。

 

計算方法がややこしいので、具体例を挙げると、次のようなエアガンは所持ができません。

 

  • BB弾の直径が6mmの場合:弾丸運動エネルギーが0.98Jを超えるエアガン
  • BB弾の直径が8mmの場合:弾丸運動エネルギーが1.64Jを超えるエアガン

 

この規制は2007年以前にはなかったのですが、エアガンによる傷害事件が多発したので、エアガンに対する規制も厳しくなってしまいました。

 

輸入する際には、上記の基準を満たしているかどうか確認が必要ということです。

 

食品衛生法の規制

その他、エアガンや水鉄砲など、子ども用のおもちゃの銃については、食品衛生法上の規制も関わる可能性があります。

 

食品衛生上が関わる可能性があるのは、6歳未満の乳幼児が口に含む可能性があるおもちゃは、食品衛生法の規制対象となるためです。

 

【参考】ミプロ「おもちゃの輸入・販売手続き2020」

 

本物の銃と誤解されやすいものは税関で止められる可能性あり

拳銃、機関銃は輸入してはいけないのは言うまでもないですが、モデルガンのように「銃に間違われやすいもの」もあります。

 

この場合、例え銃でなくても「銃の形をしている」という理由で通関に止められる可能性があります。

 

以上のことから、おもちゃの銃のようなものでも、輸入できなかったり、規制がかかったりする可能性があります。

 

自分で安易に判断することなく、税関やミプロ、ジェトロに必ず確認するようにしましょう。

 

特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品

関税法と著作権

「特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品」とは、例を簡単に言うとコピー商品、偽ブランド品です。

 

成田式クラファンのように、海外メーカーから直接仕入れるような場合は、コピー商品、偽ブランド品を扱うリスクはほとんどありません。

 

しかし、中国輸入など輸入転売ビジネスの場合は、コピー商品や偽ブランド品を仕入れてしまうリスクがあります。

 

例えばAmazonでノーブランド品となっている商品を仕入れるような場合です。この場合は、J-PlatPatですでに商標権がないか確認するようにしましょう。

 

ワシントン条約で輸入が禁止されている商品

ワシントン条約で輸入が禁止されている商品とは、生きている動植物や、動植物の毛皮や象牙を使った加工品・製品です。

 

物販をやるうえで、抵触するようなことはほとんどないかと思いますが、バッグや財布など、気になる場合は一応確認しておいてください。

 

なお、下記の場合、許可書があれば輸入できるケースもありますが、それでも輸入のハードルは非常に高いので、ほぼ諦めて良いでしょう。

 

生きている動植物

項目持ち込めないもの持ち込むには許可書などが必要なもの
サル類テナガザル、チンパンジー、キツネザル、スローロリスアカゲザル、カニクイザル
オウム類ミカドボウシインコ、コンゴウインコオウム
植物パフィオペディルム属のランラン、サボテン、シクラメン、フロリダソテツ
その他アジアアロワナ、マダガスカルホシガメイグアナ、カメレオン、ヤマネコ、リクガメ

※税関ホームページ「ワシントン条約」より引用

 

加工品・製品

項目持ち込めないもの持ち込むには許可書などが必要なもの
毛皮・敷物トラ、ヒョウ、ジャガー、チーター、ヴィクーニャ(ラクダ)ホッキョクグマ
皮革製品(ハンドバッグ、ベルト、財布等)アメリカワニ、シャムワニ、アフリカクチナガワニ、クロカイマン、インドニシキヘビ、オーストリッチワニ:クロコダイル、アリゲーター

ヘビ:ニシキヘビ、キングコブラ、アジアコブラ

トカゲ:オオトカゲ、テグトカゲ

象牙製品インドゾウ、アフリカゾウ
はく製・標本オジロワシ、ハヤブサ、ウミガメフクロウ、キシタアゲハ、シャコ貝、石サンゴ、角サンゴ
アクセサリートラ・ヒョウの爪、サイの角ピラルクのウロコ、クジャクの羽うちわ
その他漢方薬(虎骨、麝香、木香を含むもの)胡弓(ニシキヘビの皮を使ったもの)

※税関ホームページ「ワシントン条約」より引用

 

【まとめ】輸入禁止品、輸入規制に気を付けて正々堂々とビジネスをしよう

以上、輸入ビジネスで気を付けたい輸入禁止品についてお伝えしました。

 

冒頭でもお伝えした通り、輸入ビジネスの法律で注意したいことは、輸入禁止品だけでなく、輸入規制にも注意が必要です。

 

輸入規制に関する法律(PSE法、技適、食品衛生法、薬機法)や、対象となる商品については、以下の記事に詳しく書かれています。

 

【輸入ビジネスの法律規制】海外転売やメーカー仕入れで違法にならないために

 

輸入規制は、輸入禁止品と違って、規制を突破して販売できることもあるので、商品によってはチャレンジしても良いでしょう。

 

転売やメーカー仕入れに関しては、気を付けるべき法律は以上となりますが、購入型クラファンの場合は、購入型クラファンに関わる法律にも要注意です。

 

こちらは、以下の記事に詳しく書いています。

 

購入型クラウドファンディングで注意したい3つの法律

 

こちらの2記事も併せてご覧ください。

 

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