原則返金不要のクラウドファンディングで返金しなければいけない場合とは?

原則支援者都合の返金が認められないクラウドファンディングは、基本的には支援を得た後の返金は不要です。

これまで物販をやってきた方は、購入後のキャンセル・返金対応に悩まされたこともあるでしょう。

しかし、クラウドファンディングの場合は、プロジェクト終了後に返品・返金が起こることは基本的にありません。

これはクラファンの起案者側のメリットの1つですが、場合によっては返品・返金に応じないといけない場合もあります。

そこで、今回はクラウドファンディングで返金しなければいけない場合、しなくてもいい場合についてお伝えします。

 

成田光
基本的に支援者都合の返金は必要ないのでご安心ください! また、起案者責任のトラブルはしっかり対策すればほぼ確実に防ぐことができます。

 

【この記事を読むことで得られるメリット】

  • クラウドファンディングで返金が発生する場合がわかる
  • プロジェクト終了後に返金騒ぎになるトラブルを防げる

 

クラウドファンディングで返金が発生する場合とは?

購入型クラウドファンディングでは、以下のようにAll or nothing方式で目標未達成だった場合を除き、基本的に支援金を受け取ることができます。

支援金を受け取ることができるということは、プロジェクトが成立するということです。

All in方式 All or nothing方式
目標達成
目標未達成 ×

 

支援したあとにキャンセル・返金をしてしまうと、極端な話、成立したプロジェクトを実行できなくなります。

そのため、クラウドファンディングでは、支援者都合の支援金の返金ができないようになっています。

それでプロジェクト自体が中止となれば、他の支援者にも迷惑がかかります。

一方、起案者はプロジェクトが成立したら、中止することができません。

サポーターによる応援購入の完了後のキャンセル及びプロジェクト実行者によるプロジェクトの中止は、本利用規約の規定に従ってのみ行われるものとし、それぞれ、任意のキャンセル又は任意の中止はできないものとします。

※Makuake利用規約第7条3

プロジェクトの中止は、例えると「やりたくない」と言い出して開催予定のコンサートを直前になって中止してしまうようなものです。

もし、起案者側の責任で中止せざるを得ない状況になった場合は、支援金を全額もしくは一部返金しなければなりません。

つまり、支援者都合のキャンセル・返金はできないが、起案者の責任でプロジェクトが中止になった場合は返金に応じないといけないことになります。

物販クラファンで返金が発生する具体例と確実に防ぐ対策

物販クラファンでは、具体的に次のような場合で支援金の返金が生じることがあり得ます。

とはいえ、いずれもめったに起こることではなく、対策をすればほぼ確実にトラブルは回避できるのでご安心ください。

リターン商品が届かない

起案者側の責任で、何らかの理由でリターン商品が提供できなくなった場合は、支援金は全額返金しなければいけません。

ただ、商品の生産が遅れることは時々発生しますが、提供自体ができなくなるようなトラブルはほとんど発生しません。

あるとしたら、プロジェクト終了後に生産メーカーが倒産するといったような場合でしょうが、今まではありませんでした。

とは言っても、大幅な遅延がないとも限らないので、メーカーには生産時期をよく確認しましょう。

また、遅延が確定する場合は、メーカーに進捗具合を確認して、まめに支援者に連絡するようにしてください。

もちろん油断は禁物ですが、誠実に対応していれば炎上して問題になることはありません。

「待っています!」「応援しています!」「報告ありがとうございます!」という暖かい声が届くこともあります。

リターン商品に不良がある

リターン商品が動作しないなど、商品不良が確認された場合は、キャンセル・返金するか交換しなければいけません。

クラウドファンディングの場合、メーカーと直接交渉して独占契約した商品を提供するので、転売ビジネスに比べれば不良品が発生する確率は低いです。

ただ、まったく不良がないわけではないので、もし商品不良の連絡が来たら交換対応をしっかりと行いましょう。

また、独占契約したメーカーとは、不良品率何%まで保証されるのか? 送料はどちらが負担するのか? という返金保証制度(RMA)をしっかり取り決めておきましょう。

そうすることで、不良品に対するトラブルはほぼ防ぐことができます。

クラウドファンディングのリスクを抑えるための詰めのメーカー交渉術

 

輸入規制をクリアしていない商品でプロジェクトを起案した

海外メーカーと独占契約して日本未上陸の商品を輸入する場合、気を付けなければいけないのが法律上の輸入規制のある商品です。

輸入規制のある商品は、検査、認証手続きをしないと販売することができず、プロジェクトは中止になってしまいます。

具体的には、電気用品安全法(PSE)、電波法(技適)、食品衛生法、消費生活用製品安全法(PSC)の認証手続きが必要な製品です。

上記の法律が関係しない商品であれば問題ないのですが、例えば以下のような製品は輸入規制のクリアが必要となります。

  • コンセントがついた商品(PSE)
  • モバイルバッテリー(PSE)
  • bluetooth、Wi-Fiなど電波を発する商品(技適)
  • ラジコン、ドローン(技適)
  • ワイヤレスヘッドホン(技適)
  • 直接食品に触れる器具(食品衛生法)
  • 乳幼児対象のおもちゃ(食品衛生法)
  • 圧力鍋、圧力釜(PSC)

とはいえ、今はMakuakeをはじめクラファンサイトの審査が厳しくなっており、輸入規制のある商品に関しては検査、認証に関する書類の提出を求められます。

そのため、輸入規制をクリアしていなければそもそもクラファン申請時の審査でNGとされてしまうので、間違って販売してしまうといった事態は、以前よりほとんどないと考えられます。

ただ、どちらにしても商品選びの際は、上記の法律が関わっていないかどうかは確認しましょう。

輸入規制について詳細は、以下の記事をご覧ください。

輸入規制のある商品は、多くの人が避ける傾向にあるので、挑戦してみる価値は十分あります。

【輸入ビジネスの法律規制】海外転売やメーカー仕入れで違法にならないために

 

物販クラウドファンディングで必要な認証手続(PSE・技適等)と保険

 

万が一返金が必要な場合の手数料はどうなる?

All or nothing方式で目標金額が未達の場合は、集まった支援金が全額返金になる代わりにクラファン利用手数料の負担はなくなります。

しかし、起案者の責任でプロジェクトが中止、もしくは失敗した場合はどうでしょうか?

この場合は、基本的にはクラファン手数料は返ってきません。

プロジェクト中止の理由によっては手数料負担がなくなることもあり得ますが、少なくともリターン提供時のトラブルでは手数料は返ってこないと思ってください。

例えばMakuake(手数料20%)で100万円の支援を得たプロジェクトが中止になってしまった場合、手数料となる20万円は返ってこないことになります。

めったにないことではありますが、リターン商品の提供はしっかり果たすようにしましょう。

支援者の住所不明でリターン提供できない場合は?

繰り返しになりますが、クラファンで返品返金が必要になるのは、起案者の責任による場合で、支援者都合の場合は返金の必要がありません。

上記のトラブル以外でも、支援者の住所にリターン商品を送っても返送されてしまう、連絡がつかないということがたまに起こります。

プロジェクト期間中に支援者が住所変更した際によく起こることで、低単価の商品だけでなく、高額商品でもたまに起こります。

この場合は、起案者側には責任はないので、返品返金の必要はありません。

とはいえ、プロジェクトが終了したら、活動報告で「住所変更の際は連絡してください」と周知はするようにしましょう。

【まとめ】返品返金は支援者都合か、起案者都合かで決まる

以上、クラウドファンディングの返金についてお伝えしました。

よくクラウドファンディングは、「プロジェクトが成立したら返金しなくていい」と言いますが、支援者都合の返金がないということです。

返品返金の有無については、支援者都合か、起案者都合かである程度明確に判断できますが、もし不明点があればクラファンサイト側に相談してみてください。

なお、クラウドファンディングのリターン提供時の対応についても、書籍で詳しくお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

【試し読み可!】リスクのない新物販法「物販×クラウドファンディング」とは?

 

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