海外メーカーから独占販売権を取得し、物販クラウドファンディングで予約販売を募ったあとは、いよいよ一般販売が始まります。
実際に商品が消費者の手元に届くまでに時間がかかる物販クラウドファンディングとは異なり、一般販売ではスムーズな入金システムや配送システムを確立することが必須です。
本記事では一般販売ルートとして、さまざまなプラットフォームや自社通販サイトの特徴を紹介します。
ご自身が取り扱う商品にマッチした販売ルート選びの参考にしてくださいね!
プラットフォーム編
ここでは自社サイトではなく、さまざまな商品を扱う土台となるサイトに出品することを指します。
Amazon FBA販売
Amazonに出品する方法はいくつかありますが、FBAは商品の保管から注文処理、配送、返品対応、カスタマーサービスといった業務を代行してもらうサービスです。
事業が軌道にのってきたら配送業務に時間が多く取られてしまいますが、面倒なことは代行してもらえるので時間の有効活用が可能となります。
24時間365日出荷が可能となる上に、Amazonプライム対象商品となります。
Amazonプライム対象商品となれば購入者は送料がかからなかったり、お急ぎ便が使えたりしますので他社と差別化を図れるでしょう。
注意点としては、Amazonの倉庫までは自分で配送する必要があることです。
月額は基本料金の4,900円(税抜)に販売手数料を加えたものです。
販売手数料は注文商品の梱包、配送、カスタマーサービスに対して課金される「配送代行手数料」と、商品を保管・管理するための保管スペースに対して課金される「在庫保管手数料」の2つで構成されています。
それぞれの手数料は商品のサイズや重さによって変動します。
メルカリ
フリマアプリのメルカリを利用して一般販売を行うことも可能です。
なんとなく中古品が集まっているイメージがあるかもしれませんが、新品の商品の販売ルートとして利用しても全く問題ありません。
メルカリの場合は、商品が購入されても自身で発送を行うため、在庫の保管料などはかかりません。
発送方法は、「らくらくメルカリ便」や「ゆうゆうメルカリ便」といって、ヤマト運輸や日本郵便のサービスを通常よりも安く利用することができます。
また、匿名配送ができるというメリットもあります。
販売者がメルカリに支払うものとしては、「販売手数料」があります。
これは売上金に関してかけられるもので一律10%です。
たとえば1万円で商品が売れたとしたら、1,000円は手数料として引かれてしまうことになります。
メルカリは基本的に送料込みの料金で出品しますので、送料に関しても販売手数料がかかる点には注意が必要です。
ヤフオク!
ネットオークションサイトのヤフオク!も販売ルートとして活用が可能です。
販売手数料は、月額508円のプレミアム会員なら8.8%、一般会員なら10%となっています。
メルカリとの大きな違いは、販売手数料は落札額にのみかかり、送料にはかからないという点です。
配送は自ら行う必要がありますが、ヤフネコ!パック、ゆうパック・ゆうパケット(おてがる版)といった配送方法を使えば、売上から配送料を差し引くことができます。
以前は最低落札価格といって「〇円以上でないと落札できない」設定を行うことができましたが、現在は廃止されています。
そのため入札者間で競争が起こりやすくするための「1円スタート」を行うことはリスクが高くなっているので注意が必要です。
ラクマ
ラクマは楽天が運営するフリマアプリです。
出品者側の最大のメリットとしては販売手数料が3.5%(税込3.85%)となっており、非常に安いということが挙げられます。
発送に関してはメルカリ便ほどは安くありませんが、ラクマ便という日本郵便と連携したサービスがあります。
こちらも匿名配送が可能です。
楽天が運営しているので、楽天ポイントが使えるなど、楽天ユーザーにはさまざまな特典があることも特徴です。
セールモンスター
セールモンスターは、AmazonFBAに登録している商品について、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Wowma!・Qoo10などに同時出品できるサービスです。
これはAmazonFBAのマルチチャネルサービスを利用したものです。
マルチチャネルサービスとは、Amazonに出品するもの以外であってもAmazonの倉庫を使ってFBAと同様に発送を行ってくれるというサービスのことです。
セールモンスターは各サイトへの出品代行をしてくれるサービスと考えると分かりやすいでしょう。
10商品までなら無料で行うことができ、50商品までなら初期費用5,000円(税抜)、100商品までなら10,000円というように商品数によって初期費用が変動します。
また、各サイトへの出店手数料はセールモンスター負担となるので、別途支払う必要はありません。
各サイトへ出品する金額に対しては、サイトごとに販売手数料が異なってきますので、いくらで売りたいかではなく、商品が1つ売れれば手数料を差し引いていくら手元に残したいかという「受け取り金額」を設定するものになっています。
利益は受け取り金額そのままではなく、そこからAmazonのFBAマルチチャネル利用料を引いたものであることには注意が必要です。
同時に多サイトに出品をすることで販路を大きく広げることができますので、有効活用ができれば大きなサポートとなってくれるでしょう。
D2C自社通販サイト編
D2Cとは「Direct to Consumer」の略称で、消費者やユーザーに対して商品を直接販売する仕組みのことを指します。
自社の製品を販売するために小売店やAmazonといった他社を介すのではなく、他社を介さずに自社運営するアプリやブログ、メディアといったチャネル(媒体)を使って直接販売することが最大の特徴となります。
とはいえ、自社でシステムを組んで販売サイトを立ち上げることは難しいです。
そこで活用できるのが、自社通販サイト。ここでは自社通販サイトとして活用できる各サイトの特徴を解説していきます。
BASE (ベイス)
ASEを利用するのに定額でかかる登録料や月額料金はかかりません。月額料金がかからないのが最大の特徴と言えます。
BASE側に手数料を支払うのは、商品が売れたときの「BASEかんたん決済手数料」と、「サービス利用料」です。
またBASEに預けている売上を引き出す際には振込手数料と事務手数料がかかります。
売上が入金されるのは、振込申請をしてから土日祝日を除き10日後です。
「BASEかんたん決済」ではクレジットカード決済、コンビニ決済・Pay-easy、銀行振込、後払い決済、キャリア決済、PayPal(ペイパル)決済の6つの決済方法に対応しています。
決済手数料は、1つの注文ごとに「3.6%+40円」、サービス利用料は3%です。
たとえば1万円の商品が売れたら決済手数料は400円、サービス手数料は300円で、合計700円の手数料がかかることになります。
送料に関しては商品代金とは別に設定が可能ですが、同様に送料に関しても「BASEかんたん決済手数料」と「サービス利用料」がかかるので注意が必要です。
売上を手にするための振込手数料は金額にかかわらず250円で、金額が2万円未満なら事務手数料が500円かかります。
2万円以上なら事務手数料の500円はかかりません。
Stores.jp
Storesでは登録料などはなく、初期費用をかけずにネットショップを始めることができます。
基本的に必要となる手数料は、決済手数料と振込手数料です。
Storesでは月額料金がかからないかわりに決済手数料が高いフリープランと、月に1,980円(税込)の月額料金がかかるかわりに決済手数料が安いスタンダードプランの2つがあります。
フリープランでは決済手数料は5%、スタンダードプランでは3.6%となっています。
売上が月に20万以上ある場合は、月額料金がかかるスタンダードプランの方がトータルコストを抑えられます。
1年間でみると、スタンダードプラン方が10,000円ほど安いです。
また、スタンダードプランの月額料金は、クレジットカードでまとめて払うとさらに割安になるサービスが実施されています。
振込手数料は、入金金額が1万円以上なら275円、1万円未満なら振込手数料275円に加えて事務手数料275円が加わり、合計550円の手数料がかかります。
Storesの特徴としては、倉庫サービスを行っているということも挙げられます。
梱包と発送を代行してくれるサービスで、初期費用はかかりませんが一点あたりの入庫料、一日あたりの保管料、そして配送料が必要となります。
梱包と配送を完全に委託できるわけではなく、出庫依頼は自身で行う必要があります。
Storesのデメリットとしては、売上の入金が遅い点が挙げられます。
Storesでは月末締めの翌月末払いとなっています。
「スピードキャッシュ」というオプションに加入すれば、翌日振込にすることができます。
しかしスピードキャッシュにも手数料がかかり、フリープランなら3.5%、スタンダードプランなら1.5%が発生します。
Shopify
ShopifyはECサイト制作において世界シェアNo.1のサービスです。
Shopifyも登録料などの初期費用はかからず、月額料金と決済手数料がかかるサービスです。
プランは大きく分けて「ベーシックプラン」・「スタンダードプラン」・「プレミアムプラン」があり、上位のプランであるほど決済手数料が安くなっています。またプランによって使える機能にも差があるのが特徴です。
たとえば作れるアカウントの数やギフトカードが発行できるかどうか、リピーターなどの顧客情報を収集できるかどうかといった機能の違いがあります。
ベーシックプランは月額29USドル、スタンダードプランは79USドル、プレミアムプランは299USドルとなっていて、個人で販売を行うのであればベーシックプランで十分でしょう。
カラーミーショップ
カラーミーショップの大きな特徴は、ショップページのカスタマイズができるという点にあります。
一般的に自社通販サイトを利用する場合は、画一的なデザインとなってしまいがちでページ自体を魅力的なものにするのが難しいことが多いです。
カラーミーショップでは、デザインテンプレートといったオプションを購入することで自分の好みのページにカスタマイズすることが可能です。デザインテンプレートは買い切りなので月額料金は発生しません。
カラーミーショップの料金体系は、月額利用料と決済手数料に加えて初期費用として3,300円(税込)が発生します。
月額プランには「エコノミープラン」・「レギュラープラン」・「ラージプラン」の3つがあります。
プランは3・6・12か月の契約期間が設定されています。月額はエコノミープランが917円(税込)レギュラープランが3,300円(税込)、ラージプランが7945円(税込)です。
プランごとの決済手数料の変動はありませんが、ページの容量や1商品ごとに登録できる画像数に違いがあります。
レギュラーとラージでは使える機能に差はありませんが、エコノミーでは使えない機能が多くあります。
クレジットカードでの決済手数料は4%から5%となっています。
カラーミーショップでは月額最低利用料が設定されておりVISA/MASTER/DINERSでは2,500円、JCB/AMEXでは1,000円です。
たとえば1か月に5万円分商品を販売しても4%の手数料で計算すれば2,000円ですが、VISA/MASTER/DINERSのどれかで購入されている場合は月額最低利用料の2,500円に満たないため、手数料が2,500円となります。
VISA/MASTER/DINERS/JCB/AMEXのすべてのサービスを申し込みされていると、合計で3,500円の月額最低利用料が発生します。
EC-CUBE
EC-CUBEは、他のECサイト作成サービスとは大きく異なり、販売サイトを作るためのソフトウェアです。
サイト制作といえばWordpressが有名ですが、EC-CUBEは、ECサイト構築に特化した無料のソフトウェアです。
ECサイトに必要な機能がひととおり揃っていながら無料で使用できるソフトウェアとなっています。ソフトウェアは無料ですが、別途サーバーやドメインは自身で用意する必要があります。
WooCommerce
WooCommerceはWordpressで作成したサイト上で商品を販売する際に有効な無料のプラグインです。
プラグインとは、基本の機能以外をオプションで付け加えたいときのツールと考えればよいでしょう。
自分がすでに運営しているサイトで商品販売を行う際に追加でインストールする必要があります。完全無料で使用することができますが、設定などは自分で行う必要がありますので手間はかかります。
他のサービスと異なり月額料金や決済手数料などが余計に発生しないのでランニングコストを抑えることは可能です。
もちろんそのサイトでカード決済ができるようにするなら、カード決済システムサービスを行っている会社と契約をすることになりますので、そちらに支払う決済手数料は発生します。とはいえ、他のサービスを経由しないので決済手数料を少なく抑えることができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
一般ユーザーにも受ける商品を探す目を養うためには
クラファン終了後の一般販売ルートをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
クラウドファンディングの成功をゴールとするのではなく、その後の一般販売までを見据えてメーカー商品リサーチしていくと、グッとビジネスチャンスが拡大します。
メーカー商品には、クラファン向きの商品と、一般販売向きの商品が存在します。
中でも稀に、クラファンユーザーと一般ユーザーの両方に刺さる中間層の商品があります。
クラファンの数をこなすと、段々と中間層の商品かどうか一目でわかるようになりますが。。。こればかりは経験が必要かと思います。
成田のOMPコンサルティングでは、一般販売をしたいクライアントさん向けに、どんな点に留意したらいいのかもお伝えしています。
月に1個ペースでプロジェクトを実施した成田だからこそわかること、いわば試行錯誤して導き出した正解をお話ししています。
グループチャットではいくつものプロジェクトを経験した先輩方の意見もバンバン聞けるので、濃いリアルな情報を聞けます。
Amazonで垢バンリスクにおびえながらひとり黙々と孤独に作業しており、精神的につらいとOMPに入ってこられる方も少なくありません。
仲間たちと進捗状況を報告しあいながら、またお互いのプロジェクトにいいね!しあいながら一緒に盛り上げていくOMPの絆に最初驚かれる方もいらっしゃいます。
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