転売行為の違法性を解説|逮捕される!? 何が良くて何が悪いのか?

コロナ禍で発生したマスクやアルコール消毒製品の高額転売や、ゲーム機の大量買い占めなど、何かと社会的なイメージが悪い転売行為。

実際に転売行為で逮捕されたという事例もありますが、すべての転売行為が違法というわけではありません。

そこで、今回は様々な転売行為の違法性についてお伝えします。

 

成田光
違法性はなくとも、Amazonやメルカリなどは、転売行為に対する厳しい規約がありますので、せどりや転売についてはご自身の責任で取り組んでください。

 

【この記事を読むことで得られるメリット】

  • 転売の違法性が理解できる
  • 転売行為の注意点や問題点が理解できる
  • 古物商の許可が要否が理解できる

 

転売=違法ではない

前提として、転売の定義は商品を小売店や代理店から仕入れて、他の人に販売して利益を得ることです。

このこと自体は、特に違法性はありません。

これを違法にしてしまうと、極端に言えばコンビニや百貨店、スーパー、ショッピングモールなどのビジネスモデルがすべて違法になってしまいます。

ただ、転売行為すべてが合法かというと、決してそんなことはなく、場合によっては法律に触れることがあります。

例えば扱うには許可が必要なのに、許可なく販売してしまったり、転売してはいけない商品を販売してしまったりすることです。

また、後述する「チケット不正転売禁止法」のように、社会問題化したことを背景に、新しく法律違反になるようなケースもあります。

古物営業法

古物営業法

いわゆるせどらー、転売ヤーを経験したことがある人なら、一度は聞いたことあるのが古物営業法です。

そのため、まずは、古物営業法について解説します。

ただ、あくまで一般的なケースについてお伝えしますので、個々のケースについて詳しいことは行政書士などに相談してみてください。

古物商許可がなければ古物営業は違法

古物営業法では、リサイクルショップや古本屋、メルカリやヤフオクなど、古物を仕入れて販売する場合(古物商)は、都道府県公安委員会の許可を受けなければなりません(古物営業法第3条)。

これはリサイクルショップや古本屋に限らず、個人で転売行為を行うような場合も古物商許可が必要ということです。

古物商許可がなければ、リサイクルショップやメルカリ、ヤフオクから古物を仕入れて販売することはできないことになります。

ただ問題は、どこまで古物でどこから新品なのか、そして古物営業にあてはまるのはどういう場合かということです。これで古物商の許可が必要かどうか判断が分かれます。

その点については後述します。

非対面取引で相手方に本人確認しないと違法

また、電脳せどりなどの非対面取引において、古物商の住所、氏名等が真正なものであるか、つまり「なりすまし」ではないかを確認する必要があります(古物営業法第15条第1項第3号)。

つまり、メルカリ仕入れやヤフオク仕入れでも、出品者に対して本人確認を行う必要があるということになります。

具体的な方法は警視庁のホームページに書かれていますが、いずれもハードルが高い方法ばかりです。

わざわざ「私は転売ヤーでして、商品を仕入れたいので本人確認させてください」と言って、仕入れ先が快く応じるとは思えません。

もちろん電脳せどりは違法というわけではないのですが、法律上、取引の制約があるということは知っておいてください。

古物営業法上の古物とは?~どこまで古物でどこから新品なのか?~

古物商の許可

古物営業法で気になるのが、古物営業法上でいうところの古物の定義です。

「新品の販売なら古物商の許可は不要だけど、そもそもどこまで古物で、どこから新品なのか?」

と考えると、判断に迷うところがあります。

古物営業法第2条では、古物について次のように定義されています。

  • 一度使用された物品
  • 使用されない物品で使用のために取引されたもの
  • これらの物品に幾分の手入れをしたもの
古物と新品の違いを判断するうえで重要なのが、「使用されない物品で使用のために取引されたもの」です。
この条文を見ると、一度も使用されていない未使用・未開封の商品も、市場に出る前は新品ですが、手元に届けば「古物」に該当すると解釈できます。

つまり、例え未使用・未開封の商品であっても、新品とは定義されず、古物商の許可が必要な場合もあるということです。

古物営業法上の古物営業とは?~未開封・未使用の商品でも古物商の許可が必要な場合~

では、未使用・未開封の商品でも古物商の許可が必要なケースについて考えます。

古物営業法2条第1項では、古物営業について次のように定義されています。

古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

ちょっといかにも法律の条文らしい、わかりづらい文なので整理すると、

【古物営業に該当する行為】

古物の「売買」、「交換」、「委託を受けて売買」、「委託を受けて交換」する行為

【古物営業に該当しない行為】

古物を「売却」、「自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける」行為

つまり、古物の「売買」であれば古物営業に該当するので古物商の許可が必要ですが、「売却」だけであれば古物商の許可が必要ないことになります。

これは以下の例に例えるとわかりやすいです。

  1. Aさんがニトリで家具を購入し、未開封のままメルカリに出品した
  2. Aさんがメルカリ出品した家具を買ったBさんが、未開封のままヤフオクに出品した

①の場合はニトリから新品を購入し、古物になってからメルカリに出品しているので、古物を「売却」しただけです。→古物商の許可が不要

②の場合は、Bさんがメルカリから古物を購入し、ヤフオクに出品しているので、古物を「売買」したことになります。→古物商の許可が必要

以上をまとめると、未開封・未使用の場合でも、一度でも誰かに購入されたものを販売するなら古物商の許可が必要ということになります。

不用品をメルカリやヤフオクで販売する場合は古物商許可が不要

なお、自分が今まで使ってきた商品を、引っ越しや部屋の断捨離目的でメルカリ販売するために古物商の許可を取得している人はおそらくいません。

これは、不用品販売は営業目的に該当しないためです。

つまり、古物を仕入れる際に、はじめから営業目的でなければ古物商の許可はいらないということで、逆に営業目的なら古物商の許可が必要ということになります。

ただし、「自分で使うことにして商品を仕入れて、メルカリやヤフオクで販売した」というグレーゾーンも存在します。

輸入品は古物商許可が不要

あともうひとつ、欧米や中国から輸入した商品については、日本国内の取引に関する法律である古物営業法の対象とはなりません。

ただし、輸入代行会社などを利用するような場合は、古物商許可が必要なこともあるので注意してください。

その他、転売行為に関わる法律と禁止行為

転売で逮捕されるかも

古物営業法以外にも、転売行為を規制する法律があります。

意外と誤解されやすいケースもあるので注意してください。

チケットの高額転売(チケット不正転売禁止法違反)

チケットの高額転売

チケット不正転売禁止法とは、舞台やスポーツ、コンサートなどのチケットを業者が買い占め、オークションサイトなどで高額転売する行為を禁止する行為です。

これはチケットの高額転売が社会問題になったことを背景として、2019年に施行された法律です。

いわゆるダフ屋と呼ばれる行為は、すでに迷惑防止条例で刑事罰の対象となっていましたが、これは「公共の場所」や「公共の乗り物」に限定されていました。

しかし、チケット不正転売禁止法により、ネットを使って上記のような高額転売行為をすることも禁じられるようになりました。

比較的新しい法律ですが、すでに有罪判決事例が出ています。

医薬品・医薬部外品の転売(薬機法違反)

医薬品の転売は違法(薬機法違反)

医薬品・医薬部外品については、医薬品店舗販売業または薬局開設の許可がなければ薬機法違反となるので、実質医薬品の転売行為はできません。

記憶に新しいのは、コロナ禍で問題になったイソジンの高額転売があります。

なお、薬機法といえば輸入品についても厳しい規制があり、輸入のハードルは非常に高いので注意してください。

タバコの転売(たばこ事業法違反)

タバコの転売は違法

たばこ事業法第22条では、製造たばこの小売販売には財務大臣の許可が必要ということになっています。

また、たばこ事業法第11条では、製造たばこの輸入についても財務大臣の許可が必要ということになっています。

つまり、たばこについては、勝手に仕入れて販売してはいけないということです。

しかし、アイコスなどの電子たばこの転売については、特に規制はありません。

2017年にアイコスの転売で逮捕者が出ましたが、これは偽造クーポンを不正利用して割引価格でアイコスを仕入れたため、詐欺罪に問われたケースです。

この事件は、アイコスの転売行為そのものに問題があったわけではありません。

お酒の転売(酒税法違反)

お酒の転売と販売業許可

酒税法第9条により、酒類の販売をする場合は、税務署に申請して販売業免許を取得することが必要です。

無免許・無許可での転売行為は酒税法違反に当たります。

国税局のホームページには、次のように明記しています。

Q.インターネットオークションに酒類を出品したいと思いますが、この場合に酒類販売業免許は必要ですか。

A酒類の販売業をしようとする場合には、酒税法に基づき、販売場ごとにその販売場の所在地の所轄税務署長から販売業免許を受ける必要があります。

したがって、インターネットオークションのような形態であっても、継続して酒類を出品し販売を行う場合には酒類の販売業に該当し、販売業免許が必要となります。

ただし、例えば、ご自身の飲用目的で購入した又は他者から受贈されたなどの酒類のうち、家庭で不要になった酒類をインターネットオークションに出品するような通常継続的な酒類の販売に該当しない場合には、販売業免許は必要ありません。

これは、ガレージショップや学校のバザーなどに酒類を出品する場合も基本的には同じです。

※国税庁ホームページより引用

つまり、基本的にはお酒を転売するには販売業免許が必要ですが、自分の飲用目的で買ったお酒や贈答品の転売は可能ということになります。

高額転売が社会問題になれば何らかの法改正が行われる可能性も

高額転売に関する法改正

以上、転売行為の違法性についてお伝えしてきました。

しかし、転売行為については、今後も大量買い占めなどの高額転売が社会問題になって、新たな法律が制定されることもあり得るかと思います。

例えば先ほどお伝えしたチケット不正転売禁止法は、インターネットでのチケットの高額転売が社会問題になった背景があります。

コロナ禍でマスクの高額転売が問題になったときも、今は規制が解除されていますが一時的に国民生活安定緊急措置法による転売規制がされていました。

その他、ゲーム機の大量買い占めによる高額転売が社会的に問題になっており、転売ヤーに対する世間の目は厳しさを増しています。

そもそも法律以前に、Amazonやメルカリなどが転売に対する規制は厳しさを増しています。

大量の買い占めによって、本来はレア物や限定品ではないのに適正価格で商品を買えないような、消費者に損させるような方法は淘汰されていくように思います。

【まとめ】転売は古物営業法と販売不可の商品に注意

以上、転売行為の違法性についてお伝えしました。

これまでのことをまとめると、

  • 小売店や代理店から購入した商品を未使用で転売する場合は古物商の許可は不要
  • 一度でも市場に出た商品を転売する場合は古物商の許可が必要
  • 営業目的で購入していない不用品の販売は古物商の許可は不要
  • 輸入品は基本的に古物商の許可は不要だが、場合によっては必要
  • 販売してはいけない商品や許可が必要な商品の転売には要注意

となります。特に電脳せどりをやっている方は、相手方の本人確認が必要な場合もあるので注意してください。

なお、メーカーから直接仕入れた商品や、自社ブランドのOEM商品は、もちろん出品者が新品として販売することになるので古物商の許可は不要です。

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