商品・サービスとは違う購入型クラウドファンディングのリターン5つの実例

購入型クラウドファンディングのリターンと言えば、新商品やサービスの提供、イベントの招待と言ったものがほとんどです。

もちろん、新商品やサービスをPRしながらテストマーケティングできるクラウドファンディングは素晴らしい仕組みです。

ただ、クラファンのリターンは、広い意味で考えると商品・サービスだけではありません。

そこで、商品・サービスとは少し違った購入型クラウドファンディングのリターンの実例を紹介します。

 

成田光
探してみると、面白いリターンはたくさんあります!

 

 【この記事を読むことで得られるメリット】

  • 商品・サービス以外のクラファンのリターンの実例がわかる
  • クラファンの活用方法がわかる
  • クラファンのアイディアが出てくる

購入型クラウドファンディングのリターン2つの大前提

購入型クラウドファンディングのリターンには、次の2つの大前提を守らないと支援を得られません。

 

  • ニーズのあるリターンを提供すること
  • プロジェクトと一貫性のあるリターンを提供すること

たまに「クラウドファンディングでTシャツは売れない」という話を聞きます(西野亮廣さんの「夢と金」でも少し触れられていました)。

しかし、Tシャツ自体がまったく売れないというわけではありません。

通気性がいい、体臭がしないなどの機能面で優れていて、しっかりPRすればTシャツも売れます。

実際にTシャツのプロジェクトで成功例もいくつかあります。

一方で、支援してくれた人のおまけ的な位置づけでオリジナルのロゴの入ったTシャツをリターンとした場合、失敗する確率が高くなります。

なぜならニーズがなく、しかも「このプロジェクト内容で、誰もTシャツは求めていない」ということになってしまうことが多いためです。

商品やサービスそのものがプロジェクトであれば、一貫性のないリターンを用意することはほとんどないですが、イベント系など一部のプロジェクトでは注意してください。

上記2つの前提で、後述することを読み進めてください。

商品・サービス以外の購入型クラウドファンディング5つの実例

以上のことを踏まえて、商品・サービスとは少し違った購入型クラウドファンディングの実例について紹介します。

体験型リターン

商品・サービス以外のリターンで比較的見られるパターンが体験型のリターンです。

「○○をする権利」「○○作りを体験する」というもので、クラウドファンディングのリターンとして比較的知られたパターンです。

物販系のプロジェクトでは、もちろん体験型リターンはなかなか企画できませんが、実店舗やイベントのプロジェクトでは検討したいリターンの1つです。

実例としては、次のようなものがありますが、似たようなリターンを見たことがある人もいるのではないでしょうか?

 

  • コーヒーショップの店員になってコーヒー作りを体験&飲み放題
  • 映画制作のスタッフミーティング参加券
  • 月に1度開催する運営ミーティングに参加できる権利
  • 一緒に神社の掃除をしよう
  • しめ縄作りを体験しよう

キッザニアの職業体験に近い発想ですが、実際に職業を体験してみたい、起案者のファンだから運営に関わりたいという欲求に応えることができます。

セミナーに参加できる権利

講師業・先生業をやっている人向きのリターンですが、クラファンのリターンでセミナー参加権を提供するパターンです。

「○○のセミナーに参加できる権利」と言うリターンも、見たことがある方もいるのではないでしょうか?

なかには、リアルタイムで行われるセミナーに限らず、過去に開催されたセミナー動画を視聴できる権利というものもあります。

また、単発のセミナーだけでなく、長期のスクール・塾に参加できる権利というのもありました。

支援者限定で提供できる講座があれば、リターンとして設定しておくのもいいでしょう。

ただし、プロジェクトとあまりに乖離した内容のセミナーでは支援を得られない可能性はあるので注意は必要です。

店舗を貸し切る権利

飲食店など実店舗の高額リターンで比較的見られるのが、店舗を貸し切るVIP権のようなリターンです。

飲食店のリターンというと、会員権や、クラファン限定のメニューの提供が中心ですが、高額のリターンを設計したい場合におすすめのリターンです。

また、温泉であれば「一番風呂の権利」というユニークなリターンを提供しているプロジェクトもありました。

少数派ではありますが、店舗の場合は「貸し切って何かイベントをしたい」「誰かをもてなしたい」という人はいます。

高額リターンの設計で、参考にしてみてください。

店舗の命名権

ちょっと面白い事例としては、店舗の命名権をリターンで提供するというブックカフェのプロジェクトもありました。

起案者としては名称を考える手間を省くことができますし、支援者にとっても自分が命名した店舗が今後も続くと考えると感慨深いものがあります。

このリターンは、命名権だけの価格は50万円(実際は他のリターンとセットで200万円)でしたが、1人支援者がいました。

しかし、ここまでのお金を払って「名前を付けさせてほしい」と考える人は少数派ですし、共感できるプロジェクトにすることは必須です。

ただ、仕入れ原価のかからないリターンの実例として、頭の片隅に置いておくといいでしょう。

なお、このブックカフェは、他にも面白いリターンを複数用意していました。一部紹介すると・・・・・・

 

  • 好きな本を置ける権利
  • 1日店長の権利
  • 企画会議参加権
  • あなたの街に出張します
  • ブックカフェのある街の旅に招待

これらのリターンに共通していることは、「一緒にプロジェクトを動かしていきましょう」という起案者の想いを感じるところでしょう。

購入型クラウドファンディングというと、一般的な新商品・サービスのテストマーケティングとして活用するのも重要です。

ただ、このブックカフェのように「一緒に盛り上げていきましょう」という想いを持って起案するのもありでしょう。

スポンサーになる権利

「支援してくださった方には、○○にて広告を掲載します」

「○○駅の巨大広告枠にお名前を掲載します」

というスポンサーになる権利をリターンとして提供するのも、比較的よく見られます。

実例としては、渋谷駅の特大サイズの広告に名前が掲載されるというリターンがありました。

プロジェクトによっては、こちらも検討の余地があるでしょう。

費用対効果のある広告を出したいという人だけでなく、「共感できるプロジェクトなので、ぜひ協力した証拠を示したい」という人からも支援を得られます。

【まとめ】プロジェクトによっては面白いリターンが作れる

以上、購入型クラウドファンディングの商品・サービス以外のリターンについていくつか紹介しました。

プロジェクトにもよっては、商品・サービス以外の様々なリターンを提供できることができます。

ただ、購入型クラウドファンディングでは、ニーズを満たし、プロジェクトと一貫性のあるリターンを提供することが前提となります。

購入型クラウドファンディングのリターン設計については、以下の記事も参考にしてください。

クラウドファンディングのリターンとは? 購入型なら知りたい6つの設定方法

 

クラウドファンディングで支援を得られる面白い企画6つの考え方

 

なお、物販クラウドファンディングについては、当然商品がリターンとなります。

そのため、リターンを様々考えるというよりは、新規性の高い面白い商品を見つけることが重要になります。

物販クラウドファンディングについては、拙著「物販×クラウドファンディング実践大全」に詳しく掲載しています。

物販系のプロジェクトを立ち上げようという方は、ぜひご覧ください。

【試し読み可!】リスクのない新物販法「物販×クラウドファンディング」とは?

 

また、物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。