クラウドファンディングは、どんなに共感を得るプロジェクトでも、魅力的なリターン商品でも知られてなければ支援を得られません。
そこで、プロジェクトを立ち上げる際は、宣伝方法をよく検討しておく必要があります。
宣伝方法には、大きく分けて次の2つがあります。
- プロジェクト開始前に行う宣伝(事前集客)
- プロジェクト期間中に行う宣伝
クラファンは、プロジェクト開始初期が一番支援を集めやすく、しかも初期の支援が、中盤以降の支援にも影響するので前者の事前集客が特に重要となります。
つまり、プロジェクト開始前から宣伝を始めないといけません。
今回は、事前集客と、プロジェクト期間中の宣伝に分けて、主な宣伝方法を解説します。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- プロジェクト開始前に行う宣伝がわかる
- プロジェクト期間中に行う宣伝がわかる
- コストのかかる宣伝と、コストがかからない宣伝がわかる
プロジェクト開始前に行う宣伝(事前集客)
クラファンの宣伝でもっとも重要な、プロジェクト開始前に行う事前集客についていくつかお伝えします。
プロジェクトに関する情報発信は、主にSNSを使うことが多いですが、自分のSNSアカウントで発信する方法と、SNS広告を使う方法に分けられます。
自分のSNSアカウントで発信する
一番費用がかからず、手軽にできる方法が、Facebook、Instagram、Twitterなど自分のSNSアカウントで発信する方法です。
しかし、自分のSNSアカウントによる拡散については、人によって向き不向きがあります。
向いている人というのは、フォロワーの属性や、これまでのSNSの発信内容がプロジェクトに合っている人です。
もともとSNSの発信内容とプロジェクトが合っているならば、広告費を使わなくてもご自身のSNSアカウントで拡散して支援を集められるでしょう。
すでに何らかの影響力を持っている人であれば、フォロワーから「ぜひ応援したい」と思ってもらえるので、十分あり得る話です。
また、影響力の大きい方であれば、SNSだけでなくホームページやブログも活用するといいでしょう。
逆に、向いていない人は、SNSのフォロワーが少なく、多くても属性が合っていない人です。
このような人が、突然「○○のプロジェクトを立ち上げた」と言っても、フォロワーの人は「突然どうした?」「いや、別に興味ない」といってスルーされてほとんど効果はありません。
「費用がかからないので、やらないよりはやった方がいい」程度で、大きな支援は期待できないでしょう。
たまに、「私の50万人のSNSフォロワーへクラウドファンディングを宣伝します」という有料の業者もいます。
しかし、同じ理由で、フォロワーとプロジェクトの属性が合っていなければほとんど意味がありません。
なかには、実態のわからない幽霊フォロワーに拡散する業者もいるので注意しましょう。
SNS広告で宣伝してLINEの登録を促す
多くの方にとって、事前集客というとSNS広告による拡散があてはまるでしょう。
もともとクラファンと、SNSのフォロワーの属性が合っている人というのはかなり少数派と思われます。
特に物販系であれば、ほぼSNS広告による事前集客は必須と考えてください。
具体的には、SNS広告で開始前のプロジェクトを周知して、LINE登録用のLPを経由してLINE登録してもらう方法です。
LINE登録してくれた人に対して、プロジェクト前に興味付けや購入を促す情報発信をしていきます。
多くの成功プロジェクトが実践していることなので、このパターンは1つの型として覚えておくといいでしょう。
これまでのクラファンの支援者に周知する
プロジェクトを立ち上げるのが2回目以降の方は、これまでのクラファンの支援者に周知するのもいいでしょう。
例えば、すでに前回の事前集客で集めたLINE登録リストに、新しいプロジェクトを周知するなどです。
前回のクラファンと親和性が高ければ、一定の効果は期待できます。
類似の商品・サービスや、物販系であれば次世代モデル商品をリターン商品とする場合は期待できるでしょう。
プレスリリース
プレスリリースは、プロジェクト期間中に配信することもありますが、プロジェクトスタートのタイミングで配信するのがおすすめです。
冒頭でもお伝えしたように、クラファンで一番重要になるのが開始初期の支援であるためです。
なお、プレスリリースとは、新商品・サービス、新事業の情報などを報道機関を利用して発信することです。
PR TIMESや@pressのようなプレスリリース配信代行サービスを利用するといいでしょう。
プレスリリースについては、以下の記事をご覧ください。
プロジェクト期間中の宣伝方法
広告費の予算や、プロジェクトの初動にもよりますが、プロジェクト期間中の宣伝もなるべく行うようにしましょう。
特にプロジェクトの初動に成功した場合は、「こんなに売れているなら良い商品・サービスだ」というバンドワゴン効果がプロジェクト中盤以降に期待できます。
そのため、様々な打ち手を講じることで集中力を切らさずに支援を伸ばすことができます。
また、プロジェクトの終盤は駆け込み需要が期待でき、再び支援を得やすくなります。
クラファンサイト提供の有料広告プラン(依頼広告)
手数料とは別に費用がかかりますが、プロジェクト開始以降はクラファンサイト提供の有料プランを利用するという手があります。
高単価の商品・サービスを扱っているなら検討の余地は十分あるでしょう。
各々クラファンサイトで条件や運用方法が違うので、確認してから予算の範囲内で広告を出稿しましょう。
自社広告
自社広告は、ご自分で運用するか、広告代理店に依頼して運用する広告です。
自社広告については、主に2つのパターンがあり、1つは事前集客同様にSNS広告、もう1つはGoogle/Yahoo!広告があります。
ただ、Google/Yahoo!広告については、クラファンのプロジェクトの場合、検索キーワードがない新商品・サービスも多いため、リスティング広告の場合は相性が悪いことが多いです。
詳しいことは、専門の広告代理店に相談するようにしましょう。
なお、先ほどお伝えした事前集客についても、基本はご自分で運用するか、広告代理店に依頼して運用することになります(ただし、CAMPFIREは事前集客に特化した広告プランがあります)。
メディアに直接投げ込みをする
PR TIMESや@pressのようなプレスリリース配信するのもいいですが、直接テレビや雑誌などのメディアに直接掲載依頼してみるのもいいでしょう。
実際に直接アプローチすることで、2~3社の取材が入ることもあります。
ただ、2点ほど注意点があり、1点目はなるべくプロジェクトと親和性の高いニッチなメディアに依頼することです。
キャンプ用品であればアウトドア雑誌、調理器具であればグルメ・料理雑誌などです。
その方が先方も興味を持ってくれますし、何より効果が大きくなります。
大手メディアでも、プロジェクトとの親和性が低いとほとんど効果はありません。
2点目は、メディアの方から「有料の広告枠に載せませんか?」と営業が来たら、基本は断るようにしましょう。
やはり、プロジェクトと親和性がなければまったく効果がないためです。
ギフティング施策
ギフティング施策とは、商品のサンプルをYouTuberやインフルエンサーに配って、商品を宣伝してもらうことを言います。
例えば物販系であれば、実際に商品を手に取って使い心地を伝えてもらって感想を言ってもらえます。
特にクラファンとの相性を考えると、YouTuberへのギフティング施策がおすすめです。
とはいえ、大きくバズる可能性はあるものの、逆に大コケする可能性もあるので、商品内容や広告予算を確認して行うようにしましょう。
また、メディアの掲載依頼と同様に、チャンネル登録者数や再生回数よりもプロジェクトと親和性の高いYouTuberに依頼するようにしましょう。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
SNSプレゼント企画
プロジェクト終盤は、駆け込み需要が期待されるため、支援が比較的伸びやすくなります。
終盤の支援拡大を見据えて、TwitterやInstagramでプレゼント企画も検討しましょう。
プレゼント企画は、「商品を紹介してくれた人のなかから抽選で○名様に商品をプレゼント」とするものです。
TwitterもInstagramも、商品の認知拡大だけでなく、フォロワー数の獲得ができるので、今後の新商品のプロジェクトや一般販売でも活かせます。
しかし、注意点もあります。
Twitterの場合は、非アクティブなユーザーも多く、プレ垢も多数存在するので、思った以上の効果が期待できないことがあります。
Instagramの場合は、プレゼント企画で垢BANされるリスクを伴うので、プレゼント企画の告知の表現には十分注意しないといけません。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
【まとめ】クラファンの宣伝方法はたくさんある
以上、購入型クラウドファンディングの宣伝方法について紹介しました。
やや、物販系や飲食店など実店舗を持っている方に向いた宣伝方法が多いですが、クラウドファンディングの宣伝方法がたくさんあることがわかります。
広告やプレスリリースなど、費用がかかる宣伝もありますが、支援を増やす効果はあるので検討は必要です。
おおむね大きな支援を得ているプロジェクトは、ある程度の広告費をかけていることが多いです。
特に、プロジェクト開始前の事前集客については、優先順位を高めにして宣伝方法を検討してください。
なお、物販に特化したクラウドファンディングの宣伝方法は拙著「物販×クラウドファンディング実践大全」に詳しく掲載しています。
物販系のプロジェクトを立ち上げようという方は、ぜひご覧ください。
また、物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。