在庫リスクを抑えてテストマーケティングができる物販クラウドファンディングですが、プロジェクトを立ち上げる際にかかる費用はあります。
仕入れ代金や、輸入に関わる費用、国内送料など物販で共通する費用もありますが、クラウドファンディング独自の費用もあります。
仕入れ価格はメーカーと交渉し、販売価格を自分で決められるクラファンですが、実際にかかる費用を把握し、利益予測することが大切です。
そこで今回は、クラウドファンディングで実際にかかる費用を網羅して解説します。
物販クラウドファンディングで利益予測する際の参考にしてください。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- 物販クラウドファンディングでかかる費用がわかる
- 商品の仕入れ価格の交渉や販売価格決定の参考になる
- プロジェクトの利益予測の精度を上げられる
輸入商品の仕入れ価格は海外送料や関税・消費税も含めて考える
他の記事でもお伝えしていますが、理想的なクラファン出品商品の販売価格(定価)は、「仕入れ価格×3倍」です。
そうすれば、利益率を30%以上にすることができますし、事前集客やプロジェクト期間中の広告費やリターンの先行割引にも余裕が出ます。
ただ、海外メーカーから新商品を仕入れる場合、仕入れ価格とは商品代金だけではない点に注意してください。
以下の計算式のように、海外送料(航空便もしくは船便)や関税・消費税も加えたものになります。
海外メーカーから仕入れる場合は、海外送料や関税・消費税といった、国内メーカー仕入れにない費用も考慮してメーカーと交渉する必要があります。
商品代金(保険料含む)と海外送料を含めた価格をCIF価格と言いますが、輸入ビジネスでは、必ずCIF価格と関税・消費税を考慮するようにしましょう。
関税・消費税
関税率と消費税率を合わせた税率は、利益予測の際に正確に計算するのが難しければ、仮に15%としておけば問題ありません。
関税率は、商品区分や輸入する国によって細かく定められており、計算方法も複雑で正確に計算しようとすると難しいです。
ただ、商品の利益予測する際は、完璧な関税・消費税の計算は必要ありません。
消費税率は、皆さんご存知のように10%、関税率は無税の商品も多いですが、赤字リスクを抑えるために余裕を持って15%としておきましょう。
つまり、利益予測における仕入れ価格については、以下の計算式で考えておきましょう。
仕入れ価格
=(商品代金+海外送料)×関税・消費税
=(商品代金+海外送料)×1.15
なお、関税・消費税についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
海外送料
クラファンプロジェクト開始前の利益予測の段階では、海外送料の目安は1kgで1,000円と考えてください。
海外送料については、クラファンプロジェクト前の段階では、航空便か船便かの判断が難しいところがあります。
当然、航空便の方が早く商品が国内に到着しますが、送料は高くなります。
そのため、リターン商品の配送まで余裕があり、プロジェクトの支援数が多い場合は、送料負担を考慮して船便を選ぶ場合もあります。
しかし、この判断は実際にプロジェクトが終了してみないとできません。
また、航空便にしても、アメリカから商品を送ってもらうか、中国から送ってもらうかによっても変わってきます。
ただ、1kg1,000円と考えておけば、基本的に赤字になることはありません。
関税・消費税も海外送料も余裕を見込んでおくようにしましょう。
なお、海外送料についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
クラウドファンディングのプロジェクトでかかる費用
物販クラウドファンディングでは、海外送料や関税・消費税以外にも考慮すべき費用があります。
こちらについても、利益予測の段階では、余裕を持って考えて、プロジェクト終了後に赤字にならないようにしてください。
国内配送料
日本に商品が到着したあとの支援者までの国内配送は、発送代行業者を利用するとしてもリターン商品1個1,000円として考えれば大丈夫です。
なお、リターン商品配送業者の詳細については、以下の記事をご覧ください。
クラファン手数料
出品するクラファンサイトについては、物販クラファンでは現状はMakuakeかGREEN FUNDING、CAMPFIRE、machi-yaの四択です。
特にCAMPFIREやmachi-yaはクラファンおかわり(同じ商品で2回プロジェクトを起案すること)で活用することが大半です。
1回目のプロジェクトでは、MakuakeかGREEN FUNDINGの二択なので、手数料は20%と考えてください。
クラファン手数料については、以下の記事を参考にしてください。
LP制作費
クラウドファンディングでは、クラファンLPの制作が必要です。
クラウドソーシングサイトなどを活用して外注した場合、LP制作の費用感は大まかに以下の通りです。
LPデザイン | 5~10万円 |
LPライティング | 5~10万円 |
両方できる人 | 15万円~ |
制作ボリュームや経験値によっては変動しますが、安いから良いとは限らず、経験・スキルや得意なジャンルなどを見極めないと失敗します。
上記でほぼ必須と言えるのがデザイナーの外注です。ライティングは自分でできても、特殊な技術を要するデザインを習得するのは経験者でないと難しいです。
ライティングとデザイン両方できる人もいますが、希少価値が高く、探すのが大変で報酬も高くなる傾向にあります。
なので、ライティングも外注する場合は、ライターとデザイナー別々で外注することを検討しましょう。
デザイン外注の詳細は、以下の記事をご覧ください。
なお、画像や動画などの素材は基本的にはメーカーから提供してもらいます。
基本的には、KickstarterやIndiegogoなどでクラファン経験のあるメーカーに交渉するので、素材が揃っていることが多いです。
しかし、画像、GIF、動画など追加撮影が必要な場合は、別途カメラマンや動画クリエイターの手配が必要なことがあります。
ただ、高度なクオリティが必要な画像までは必要ないことが多く、クラウドソーシングサイトなどで安価に外注できる場合が多いです。
また、LPの草案を考えている最中に、「こんな画像が欲しいな」と思いついたら自分でサンプル品の撮影をしてもいいでしょう。
輸入商品の検査費用
PSE(電気用品安全法)、技適(電波法)、食品衛生法などの法規制をクリアするための検査費用は、まずはどちらが払うかをメーカーと交渉・確認します。
メーカーに全額負担してもらえる場合が多く、その場合は特に考える必要はありません。
しかし、交渉を有利に進めるために自分が一部費用負担する場合は、必要経費に含める必要があります。
検査費用の目安は以下の通りですが、詳細は専門の機関に問い合わせるようにしてください。
例えばPSEであれば、円形と菱形で費用感がかなり変わってきます。
PSE | 円形15万円~ |
技適 | Bluetoothで30万円程度 |
食品衛生法 | 6~12万円程度(検査項目数による) |
なお、輸入に関する法律規制については、以下の記事を参考にしてください。
広告費
クラウドファンディングは認知拡大も重要なタスクで、広告費に関しては、目指す支援額によって、大きく戦略や費用感が変わります。
とはいえ、最近は特にプロジェクトスタート前の事前集客はほとんど必須になってきているのも事実です。
また、目標支援額が大きくなるほど、利益率よりも利益額を重視する戦略になります。
500万円の支援額で利益率が30%であれば利益は150万円ですが、1,000万円の支援額で利益率が20%であれば利益は200万円です。
広告費については、まずは目標支援金額を決めて、そのあとに目標広告比率を決定して、その予算内で運用しましょう。
目安となる目標広告比率は15~20%で、無理のない範囲で運用してください。
なお、媒体による違いはありますが、各広告施策の費用感は以下の通りです。
事前集客 | 10万円~ |
ラストスパート | 0~10万円 |
YouTuberへの拡散依頼 | 0~10万円 |
メディア掲載依頼 | 無料 |
プレスリリース | 1万~3万円 |
クラファンサイトメルマガ掲載依頼 | 0~10万円 |
クラウドファンディングでは、特にスタートダッシュが重要になるので、このなかでは事前集客を優先しましょう。
プロジェクトが開始したら、期間中の広告(依頼広告、自社広告)も含めて、目標広告比率の範囲内で施策を考えてください。
クラファンの広告施策については、以下の記事も参考にしてください。
【まとめ】商品の仕入れ、プロジェクトにかかる費用を把握して利益予測する
以上、物販クラウドファンディングでかかる費用について解説しました。
物販経験者の方であれば、利益計算は慣れているかと思いますが、クラウドファンディングは、他の物販と違う点もあります。
とはいえ、私自身プロジェクトで赤字になったことはありませんし、しっかりと利益予測することで十分利益を出すことが可能です。
プロジェクトでかかる費用も考慮して、支援額に対して十分利益が出るようにしていきましょう。
物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。