クラウドファンディングで目標金額以上の支援を得るには?|目指す支援額によって戦略は変わる

クラウドファンディングでは、「多くの支援を集めること=成功」ですが、適切な目標金額を決めることが重要です。

なぜかというと、目標金額によって戦略が大きく変わるためです。

もちろん、目標金額を大幅に上回る支援を得られたり、逆に支援が伸びなかったりすることはありますが目安はあります。

そこで、今回はクラウドファンディングの目標金額ごとの戦略について解説し、目標金額以上の支援を得るポイントを解説します。

 

成田光
クラウドファンディングの目標金額から逆算して必要経費を逆算しましょう。

 

【この記事を読むことで得られるメリット】

  • クラウドファンディングの目標金額の考え方がわかる
  • 目標金額の目安がわかる
  • 目標金額に合わせて必要な経費がわかる

 

クラウドファンディングの目標金額の定義

まず、前提として、本記事でお伝えする最終的な目標金額とは、サクセスバッジの付く目標金額のことではありません。

特に物販系のクラウドファンディングでは、初動で成功したことをPRできる金額でサクセスバッジの付く目標金額を設定します。

つまり、プロジェクト初日に達成しそうな金額を目安に設定することがほとんどです。

この話については、以下の記事に詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

クラウドファンディングの目標金額未達成だとどうなる? All in方式とAll or nothing方式の違い

 

本記事でお伝えする目標金額とは、プロジェクト最終日までに集めたい目標支援金額になります。

寄付型やイベント系のプロジェクトなど、クラウドファンディングの種類によっては、目標金額に対する考え方は違います。

ただ、少なくとも本記事では、サクセスバッジの付く目標設定金額と最終的な目標金額は違うことは理解してください。

目標金額設定の3つの基準

クラウドファンディングは、当たり前ですが支援が多ければ多いほどいいです。

特に物販系のクラウドファンディングでは、クラファンではなく終了後の一般販売を見据えているので、支援が集まるほど注目されます(クラファンで成功すれば一般販売で成功するわけではないですが)。

そのため、プロジェクトでは、できる限りの手を尽くして魅力ある新商品をPRします。

とはいえ、目標金額が高ければ高いほど経験値とコストが必要とされます。

あまり極端に高い目標金額設定では、リスクを極力抑えてプロジェクトを実行することができません。

そこで、目標金額の設定の3つの基準について簡単に解説します。

【広告費】大きな支援を得るなら広告に力を入れる

物販系のクラウドファンディングを立ち上げる際は、以下の様々な経費がかかります。

  • 仕入価格(輸入品の場合は関税・消費税、海外送料を含む)
  • 支援者へのリターン商品配送料
  • クラファン手数料
  • LP制作費
  • 輸入商品の検査費用(メーカーとの折半分。全額メーカー負担の場合も多い)
  • 広告費

メーカーと「クラファン支援数=MOQ(最低発注数量)」とすれば、基本は在庫リスクなくプロジェクトを進めることができますが、他にも多少の経費がかかります。そのため、上記の費用を考えて利益予測することが重要です。

特に、目標金額の設定によって変動するのが広告費です。特に1,000万円以上の支援を目指すのであれば、広告に力を入れることが欠かせません。

プロジェクト期間中に何もせずに、1,000万円以上の支援を得られた成功プロジェクトはほとんどありません。

仮に何もせずに1,000万円以上の支援が集まったとしても、たまたま大きくバズったなど、偶然によるものが原因なので、再現性がないです。

広告に力を入れれば、当然利益率は下がるので、目標金額が高ければ高いほど、利益率よりも利益額を重視します。

詳しくは以下の記事にて解説していますが、広告費については無理のない範囲で、事前集客など優先順位の高いものから行うようにしましょう。

物販クラウドファンディングでかかる費用と利益は?正しく利益予測するために

 

【経験値】経験を重ねながら大きな支援を狙う

大きな支援を得ようとするほど、基本は広告に力を入れることになりますが、広告に力を入れるならある程度の資金力と経験値が求められます。

ある程度の物販経験者ならともかく、物販も初めて、クラファンも初めての方がいきなり、多額の広告費を投じるには効果の面で無理があります。

リターン商品の商品力、LPの訴求力があって、初めて広告の効果は発揮されることを考えると、広告に力を入れるのはある程度経験を積んでからの方が確実です。

もちろん、初回のプロジェクトで施策がはまって1,000万円以上の支援を得られた例も多いですが、基本は経験を重ねながら大きな支援を目指しましょう。

【支援が見込める金額】どの程度売れている商品なのか?

具体的にどのくらいの支援が見込めるかは、大まかな目安にはなりますが、以下のことを基準に予測します。

  • 輸入品であれば海外クラファン(Kickstarterなど)の結果の1/10程度
  • MakuakeやGREEN FUNDINGの類似商品、同カテゴリー商品の支援額

海外クラファンの1/10程度の支援額というのは、かなり保守的な目安ですが、特に初心者の方は、保守的に支援が見込める金額を設定する方がいいでしょう。

ただ、海外クラファン以上に日本でヒットすることは日常茶飯事で、当然逆も起こり得るので、迷った場合は、ご自身の経験値に合わせて目標金額を設定するのがいいでしょう。

目標金額ごとの戦略

ここまでお伝えしたように、最終的なプロジェクトの目標金額が変わると、広告の施策も変わってきます。

初心者の方は適正の目標金額で、想定の広告費を抑えた方が無難です。

経験を重ねていくと新商品の目利きや訴求するポイントがわかってくるので、徐々に広告比率を上げて目標金額を高くしていくといいでしょう。

経験値別の妥当な目標金額

それでは、具体的に経験値別の妥当な目標金額はいくらかということをお話します。

初心者でも1,000~2,000万円の支援を得られることはありますし、経験者でも100万円未満の支援に終わることもあります。

そのため、あくまで目安にはなりますが、初めてクラファンを実施するなら、広告費は抑えてまずは100~300万円くらいの支援を目指します。

それでも利益率を30%とすれば、1回のプロジェクトで30~90万円程度の利益を得られることになります。

せどりや転売で労力かけて商品1個売るよりも、ずっと早いです。

また、失敗しても「クラファン支援数=MOQ」としていれば在庫リスクはないので、恐れずにプロジェクトを立ち上げて経験を重ねましょう。

そして経験を重ねたら、徐々に「次は300万円を目指す」「次は500万円を目指す」というようにするといいでしょう。

経験と実績を重ねるほど、Kickstarterで10万ドル超の支援を得られたような商品でも取引できることが増えます。

また、逆に海外ではそんなに売れていないけど、日本では売れそうな商品を見分けることができるようにもなるので、成功確率がどんどん高くなります。

広告の施策は優先順位を考える

広告費に余裕があまりない場合は、当然ながら「試しにやってみるとバズるかも」という施策よりは「絶対にやった方がいい施策」を優先します。

広告の施策には様々あり、事前集客、期間中のSNS広告、プレスリリース、メディア掲載依頼、YouTuberやインフルエンサーへのギフティング施策など様々です。

そのなかで一番力を入れた方がいいのは、プロジェクト開始直後で支援を集めるための事前集客です。

クラファンのプロジェクトはスタートが肝心なので、開始時の施策に力を入れるようにします。

始めよければ終わりよしの世界で、スタート時に支援が集まれば、クラファンサイトのトップページなど露出も増えるので、ますます支援が集まります。

また、初動に成功することで、プロジェクト中盤以降の広告費にも余裕が出て、追加の施策も行いやすくなります。

事前集客についてはとても重要なので、クラファンが初めての方も事前集客だけは最低限検討した方がいいでしょう。

事前集客では、具体的にどんなことをするかについては、以下の記事を参考にしてください。

クラウドファンディングのスタートダッシュで成功するための事前集客

 

【まとめ】経験を重ねながら目標金額を上げていく

以上、物販クラウドファンディングの目標金額の設定の基準と、目標金額ごとの施策について解説しました。

目標金額を高くするほど、広告費が必要になるので、経験値とコストが必要になります。

初回から1,000万円以上の支援を得るということは実際にあるので夢ではないですが、まずは手堅く100~300万円くらいの支援を目指し、徐々に目標を上げましょう。

また、経験値を上げないことには、目標金額以上の支援を得ることは難しいので、リスクのないクラファンではどんどん挑戦していきましょう。

物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。