物販クラウドファンディングは初期資金がさほど必要なく、在庫リスクを抱えることがないという点では、初心者の方でも不安なく取り組めます。
クラウドファンディングの特性上、メーカーと独占契約を結べる点もメリットとして大きいです。
しかし、一方でクラウドファンディングは難しい、簡単に支援が集まらないというイメージを持つ方も少なくありません。
たしかに必ずしも支援が集まるとは限らず、微妙な結果に終わることもあります。
ただ、在庫リスクがなければ失うものがないので、「次からどうすれば支援が得られるか」改善していけば、いずれ他のプロジェクトで成功します。
これまで600人以上のプロジェクトに関わってきましたが、うまくいかない理由と、どうやって改善してきたかはある程度パターンがあります。
そこで、今回はクラウドファンディングが難しいと言われる理由と対処法、支援を得るためのチェックリストをお伝えします。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- クラウドファンディングで支援が集まらない理由がわかる
- クラウドファンディングで支援を集めるための改善策がわかる
- 次回以降のプロジェクトに活かして支援を集めることができる
やっぱり難しい?! クラウドファンディングで支援が集まらない主な理由
もし、クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げても支援が集まらない場合は、何かしら理由があります。
クラファンの支援は、「商品力×訴求力×集客力」が掛け合わさって成り立つので、支援が集まらなければ、少なくとも以下のうち1つが弱かったと考えられます。
商品力がない | ニーズのない商品だった |
訴求力がない | LPで興味を持ってもらえなかった |
集客力がない | 広告が足りない、もしくはうまく機能しなかった |
ニーズのない商品だった
1つ目が、そもそもニーズのない商品でプロジェクトを立ち上げた商品であった点です。
物販クラファンでは、KickstarterやINDIEGOGOなどの海外クラファンサイトで支援を得られた商品を狙うのが一般的です。
しかし、いくら海外のクラウドファンディングでブレイクした商品であっても、日本で売れるとは限りません。
海外と日本では、商品に対して求めているニーズが違います。
また、海外で多額の支援を得られた商品の販売メーカーにアプローチしても、他の人も狙っているので断られる可能性が高くなります。
たしかに最低でも10,000ドル、できれば50,000ドル以上の支援を集めた商品にアプローチするのがいいのですが、あくまでも目安です。
日本でもニーズのある商品力の高い商品を見抜く精度を高めるには、もっと多角的に判断していく必要があります。
目利きを鍛えるのは難しいと考えられがちですが、良い商品を見抜くにはコツがあるので、詳しくは後述します。
LPで興味を持ってもらえなかった
もう1つが、商品力が高くてもLP(クラファンの商品ページ)で、商品に興味を持ってもらえずに支援が集まらない場合です。
クラウドファンディングで扱う商品は、海外の新興メーカーや国内の中小企業の新商品が中心になるので、少なくとも日本ではまだ誰も知らない商品です。
Amazonや楽天、ヤマダ電機などで一般的に売られている大手メーカーの商品を売る場合とは訳が違います。
そのため、支援者にとってどんな利点があるか、類似の同カテゴリー商品と何が違うかを伝えて興味を持ってもらわないといけないのです。
ただ、商品力が低くてLPで興味を持ってもらえるような表現ができないこともあり得ます。その場合は商品リサーチの見直しが必要でしょう。
広告が足りなかった
いくら商品力が高くても、LPで興味を持ってもらえても、支援者がLPを見なければ買ってもらえません。
例えば、クラファン開始前にSNS広告などを使ってLINEの登録を促して、クラファン開始を周知する事前集客は今では必須要素です。
もちろん、広告予算を考えても無理のない範囲で広告を出すことが必要ですし、商品に合った戦略をしないといけません。
しかし、1000~3000万円程度の支援を得たプロジェクトの大半は、事前集客を中心に広告に力を入れていることも事実です。
どうしても力を入れたい商品には、広告費をかけることも必要です。
クラウドファンディングで支援を得るためのチェックリスト
このように、クラウドファンディングの支援は「商品力×訴求力×集客力」で決まります。
逆に言えば、この3つのうちいずれかを改善すれば、支援を大きく伸ばすことができます。
そこで、商品力、訴求力、集客力の3つについて、クラウドファンディングで支援を得るためのチェックリストをお伝えします。
もし、以下のことを実践していないようであれば、次回以降に活かしてください。
これらを実践していけば、決してクラウドファンディングで支援を得るのは難しくないということがわかります。
商品力の高い商品を見抜くチェックリスト
まずは、商品力の高い商品を見抜くチェックリストです。
目利きを鍛えることは難しいと思われがちですが、良い商品を見抜くコツはいくつかあります。
商品リサーチの段階で、以下のことに該当する商品かどうかはチェックするようにしてください。
ただし、すべての項目にチェックが付かなければ売れないわけではありません。
例えば以下のチェックリストで、女性向き商品でも成功したプロジェクトは年々増えています。
Kickstarterの日本人購入者や、RAKUNEWのいいねの数もあくまで目安です。もちろん、他の海外クラファンサイトやWebメディアもチェックしてください。
あくまで参考程度として捉えて、チェックしてみてある程度いけそうと思ったら最初の方は積極的にプロジェクトに挑戦していきましょう。
失敗しても失うものがないのが、クラファンの魅力です。
- 海外クラファンで10,000USD以上の支援を得られているか?(できれば50,000USD以上)
- 商品単価は10,000円以上か?(高単価の方が広告を出しやすい)
- 30~50代男性向き商品か?(女性でもニーズがあると判断できれば可)
- 自分や家族・友人が欲しいと思えるか?
- 機能や素材で類似商品と1つでも差別化ポイントはあるか?
- 「そうそう、こういうのが欲しかった」と思えるアイディアがあるか?
- MakuakeかGREEN FUNDINGでヒットした類似商品はあるか?
- LPを作成しやすい商品か?(魅力をはっきり伝えられるか?)
- 一過性のブームで終わっていないか?
- Kickstarterで見つけた商品の場合、日本人購入者は多いか?
- RAKUNEWで見つけた商品の場合、500いいね以上ついているか?
詳細を知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
LPで商品の魅力を伝えるためのチェックリスト
LPの作成も、「クラウドファンディングは難しい」と言われる理由の1つですが、LPは基本的な型があります。
また、LPについては成功事例を良いところを真似することで、支援が出るLPになります。
しかし、成功プロジェクトのLPがなぜ良いのかを知らないまま、ただ真似するだけでは支援者が興味を持つLPにならないのも事実です。
そこで、LP作成時は、成功プロジェクトのLPを参考にしつつも、以下のことをチェックするようにしてください。
- 商品のターゲット層(ペルソナ)は合っているか?
- トップ画像を中心に、支援者の得られるベネフィットは伝えたか?
- トップ画像を中心に、類似商品との違いは伝えたか?
- 権威性や社会的証明の記載は必要ないか?
- LPのデザイン、特にトップ画像はスッキリと文字が読み取れるか?
- スマホで見て視認性は問題ないか?
- トップ画像とタイトルで取りこぼしなく強い訴求は入ったか?
- 動画やスライドショーは必要ないか?
- トップ画像以下の本文の構成は適正か?
- しっかり問題提起して支援者の欲求は伝えているか?
- 商品が簡単に使える旨は伝えているか?
他にも細かいところはありますが、LP作成に自信のない方は、最低でも上記のことだけでも見直すようにしてください。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
広告・拡散戦略の手順
広告戦略については、ご自身の予算や目標の支援額に応じて、どんな打ち手を出すかを決める必要があります。
広告は出した方がいいのですが、当然無理をすると利益が減ります。
そのため、広告・拡散戦略については、以下の手順で考えるようにするといいでしょう。
- 目標金額を決めて、目標金額の15~20%を目安に広告の予算を決める
- 広告の施策を取るならば事前集客を優先的に行う
- プロジェクトが開始したら残った予算範囲内で次の施策を打つ。ただし、スタートダッシュ時の支援額も考慮して予算を増減する
- 自社広告(SNS広告等)
- クラファンサイトが提供している依頼広告
- プレスリリース
- YouTuberのギフティング施策
- SNSプレゼント企画
目標支援金額の考え方や広告費の予算については、以下の記事を参考にしてください。
【まとめ】クラファンの支援額に一喜一憂せずに次に活かす
以上、クラウドファンディングで支援が集まらない理由と支援を得るチェックリストについてお伝えしました。
クラファンを立ち上げても支援が集まらない、難しいと思ったら本記事を参考にして改善策を考えてみてください。
支援が集まった場合も、集まらなかった場合も、何かしら理由があるので改善していけば必ず突破口はあります。
「やっぱり難しい」と諦める人が多いですが、それだけに諦めずに何度もトライすることで成功しやすくなります。
今回は、チェックリストとして簡単にお伝えしていますが、具体的なノウハウは拙著「物販×クラウドファンディング 実践大全」で詳しくお伝えしています。
これまでの実例やコンサル内容を踏まえ、クラファンの作業タスクに沿ってまとめているので、ぜひクラファン実践の際は手元に置いて活用してください。
また、物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。