クラウドファンディングで、多くの支援を得て成功したプロジェクトに共通していることが、ページ(LP)がしっかりと作り込まれていることです。
物販クラウドファンディングでは商品力が一番重要ですが、商品力をしっかり伝えたページ作成をしなければ、思ったような支援を得られません。
そこで、今回はクラウドファンディングのページ作成の手順についてお伝えします。
LP作成といっても、最初は何をしたらいいか戸惑うかもしれませんが、大まかな手順や方法を理解することでイメージできます。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- クラファンのLP作成の手順や重要ポイントがわかる
- LPで訴求力を高めるためのポイントがわかる
- クラファンLPの作成に困らなくなる
商品の海外クラファンサイトや公式サイトを確認
まずは、メーカー公式サイトと、プロジェクトを行ったクラファンサイト(kickstaterやindiegogo等)をチェックします。
日本のクラファンで「クラファンおかわり」があるように、海外メーカーも2つ以上のクラファンサイトを利用している可能性があるので、その場合は両方チェックしてください。
具体的に何をチェックするかは以下の通りです。
仕様やデザイン変更の有無をチェック
海外でクラファンをやっていた頃から日本でクラファンを行うまでの間に、仕様やデザインが変更になっていないか確認します。
もし、変更になっていれば、クラファンLPを作成する際に、仕様変更を反映したうえで作成する必要があります。
クラファンサイトのコメント欄をチェック
海外ユーザーが、商品のどの点を評価しているのかなどをチェックすることで、支援者が商品を使うメリットがわかることがあります。
LPを作成する際に、どういう訴求をしていけばいいか参考になるでしょう。
しかし、最適な訴求ポイントが、海外と日本では違うことがあるので注意してください。
訴求ポイントを考える際は、海外クラファンページや公式サイトを参考にしつつも、「これは日本人にもニーズがあるだろうか?」という視点を持つようにしましょう。
使用している画像や動画をチェック
クラファンサイトや公式サイトで使用している画像や動画をチェックします。
ただ、サイトに貼り付けてある画像を右クリックして「名前を付けて画像を保存」することは避けてください。
解像度が悪いぼやけた画像になってしまい、それでLPを作成すると見る人の印象が悪くなります。
元画像や元動画などの素材は、メーカーに送ってもらうようにしてください。
海外クラファンページの翻訳
次に、海外クラファンページを日本語に翻訳します。
Kickstater、indiegogoなど複数のクラファンサイトがある場合は、直近のプロジェクトの方を翻訳しましょう。
翻訳さんを外注してもいいですが、翻訳したものをそのまま日本のクラファンサイトに掲載するわけではないので、Google翻訳やDeepLなどを使ってもいいでしょう。
海外クラファンサイトは、日本のクラファンサイトよりも訴求力が弱いことがあり、また、最適な訴求ポイントが海外と日本で違う場合もあります。
そのため、日本のクラファン用に書き換える必要があるので、商品の仕様、特徴が理解でき、分析できる程度であれば十分です。
なお、プロモーション動画がある場合は、動画の翻訳も忘れないようにしましょう。
クラファンLP草案の作成
翻訳作業が終わったら、本格的にLPの草案を作成していきます。
ただ、闇雲に草案を作成しても訴求力の高いページ作成はできませんので、以下の手順に従って考えるようにしましょう。
商品の仕様、特徴を確認
翻訳した海外のクラファンページを確認して、商品の詳細な仕様、特徴を確認します。
しかし、仕様、特徴をそのまま日本のクラファンページに掲載しても支援者に「欲しい」と思ってもらえません。
そのため、次の点でまとめていくようにしましょう。
- 商品のアピールポイントは何か
- 他の商品より優れている点など(メリット)
- デメリット
- 価格
- どれくらいの支援を集めているのか
このあたりを分析して、日本のクラファンでは、どこを一番推すかを考えるようにしましょう。
その際は、海外と日本の最適な訴求ポイントが違うこともあり得る点を思い出してください。
多機能なバッグパックを例にすると、次のような感じでアピールポイントを見直しましょう。
海外クラウドファンディングでは多機能であることをメインにアピール。
↓
でも、多機能なバックパックは日本ではありきたり。
↓
多機能かつ頑丈な素材のバックは珍しい。
↓
頑丈さをメインに推したほうが魅力的な商品としてアピールできる。
ターゲット設定(ペルソナ像の明確化)
商品を販売するうえでは、ターゲット(ペルソナ)を設定することは欠かせません。
商品の特徴を把握し、海外クラファンサイトのコメント欄などを参考にしながら、メインターゲットになりそうな人を考えましょう。
性別、年齢、職業、住まい、趣味といった属性はもちろん、悩みや欲求といった思考・感情も明確に分析してください。
ターゲットが求めるベネフィットを書く
ターゲットが明確になったら、「ターゲットにとってのメリット=ベネフィット」をキャッチコピーに落とし込むようにしましょう。
ソファを例にすると、ターゲットは、なぜソファが欲しいと思うのかを具体的にしていきます。
ソファが欲しい
↓
なぜソファが欲しいのか?
↓
ふかふかの気持ちのいい座り心地(一般的なメリット)
↓
なぜターゲットはそのメリットを求めるのか?
↓
仕事帰りや休日にリラックスして休みたい(ターゲットのニーズ)
↓
つまり、ターゲットにとっての最大のメリット(ベネフィット)は何か?
↓
リラックスした時間の提供
このように落とし込むと、LPに「ふかふかのソファに座って休日にリラックスしている人」を表現する文章や画像があると良いことがわかります。
ページ全体の構成・イメージを決める
ターゲット層や、ターゲットのベネフィットがわかってきたら、ページ全体の構成やデザインのイメージを決定しましょう。
LPデザインは、基本的には外注したほうがいいのですが、丸投げはNGです。
デザイナーさんに原稿を渡して「こんな感じで作って欲しい」など、大まかな指示を出せるようにしましょう。
具体的には、上記でピックアップした商品の特徴、設定したターゲットをもとにLPに必要な内容、情報を決めます。
その後にシンプル、高級感、ポップなどページ全体のイメージを決めていきます。
クラファンLPディレクション
LPの草案ができてきたら、makuakeやGREEN FUNDINGなど、実施するクラファンサイトを1つ決定します。
2つ以上のクラファンサイトに同時にプロジェクトを立ち上げるのは、支援者が分散することになるのでメリットはなく、おすすめできません。
2つ以上のクラファンサイトで実施する場合は、1つのプロジェクトが終わってから行うようにしてください(クラファンおかわり)。
クラファンサイトを決めたら、具体的に次のようなことを決定していきます。
クラファンサイトへ新規プロジェクト申請
クラウドファンディングサイトへ新規プロジェクト申請を行い、LP制作用の新規プロジェクトのプロジェクト編集用ページを開設してもらいます。
2回目以降であれば担当者に新規プロジェクトを始めたい旨を連絡し、プロジェクト編集用ページを開設してもらいましょう。
このとき、プロジェクト申込書、メーカーとの独占販売契約を証明する書類(契約書)、履歴事項全部証明書の提出が必要となります(申請ページへアップロードで提出)。
必要な画像の撮影
メーカーから送ってもらった画像では素材が足りない場合は、LP制作にあたり必要な画像を撮影してください。
ただ、風景画像やイメージ画像など、フリー素材(写真ACなど)や有料素材(iStock、Shutterstockなど)の画像で間に合うこともあります。
価格やプロジェクト実施期間の決定
最後にリターン内容とクラウドファンディングでの販売価格、目標金額、プロジェクト実施期間を決めます。
販売価格は、仕入れ価格の3倍くらいを目安にして決定しましょう。詳細は以下の記事をご覧ください。
クラファンLP作成
クラファンLPは各クラファンサイトにログインし、プロジェクト編集用ページで作成していきます。
シンプルで見やすいLPが基本
クラファンLP作成する際のポイントは、次の2点です。
- シンプルで見やすいのが基本
- 各項目に見出し(バナー)を作る
ページ閲覧者の6~7割はスマートフォンからの閲覧です。
視認性を意識して、スマートフォンでの閲覧を想定してページを作成しましょう。
具体的にはPC画面で見るよりスマホ用ページは画像が小さくなります。
バナーや画像に入れる文章などは、スマホ閲覧を意識して大きなサイズで制作するようにしてください。
支援者にとってのベネフィットを表現したいですが、メイン(サムネイル)で文字を詰め込んだり、文章がやたらと長かったりするLPは敬遠されます。
画像で伝わるところは、画像で伝えるようにしましょう。
クラファンプロジェクトのタイトルを決める
上図の赤枠で囲っているタイトルを決定しましょう。
サムネイルの訴求と乖離がない範囲で、サムネイルで表現しきれなかった部分が表現できるとベストです。
なお、各クラウドファンディングで文字数制限があるので注意しましょう。
バナーデザインを決める
先に作成したLP草案を元にして、ページ全体のデザインや使用するカラーを決め、バナーをどのようなデザインにするか決めていきます。
外注するデザイナーさんには商品やターゲットの詳細も伝えるようにすると、ページ全体のカラーやイメージが商品に合った形でできるでしょう。
メイン(サムネイル)画像を作成する
上記の赤枠で囲った、最初に目に飛び込んでくるメイン(サムネイル)の画像を作成します。
メインバナーはLPの命とも言える部分で、この出来で、支援額が左右されるといっても過言ではありません。
なるべく画質の高いものを使用し、目を引くデザイン、クリックしたくなるようなキャッチコピーを用意しましょう。
しかし、先に書いたように、文字を詰め込み過ぎるのは好ましくないので、一番優先順位の高い訴求やベネフィットを入れるようにしましょう。
表現しきれないなら、タイトルで補完できるようにしてください。
詳しいことは、次の記事で詳しく書いています。
動画の作成、アップロード
PR動画に日本語字幕が必要な場合は、外注するなどして日本語字幕を入れた動画を作成します。
基本的には、アップロードはまずYoutubeに動画を上げ、Youtubeのリンクをプロジェクト編集用ページに入力すればOKです。
LPの基本的な構成
クラファンLPは、基本的には以下の構成で作成しています。
もちろん、商品によって構成はこの限りではありませんが、目安として知っておくといいでしょう。
冒頭箇所(どのような商品なのか、開発ストーリーなど)
↓
商品の特徴や機能の説明・利用シーンの想起
↓
カラーバリエーション
↓
保証
↓
製品概要・スペック・使い方
↓
各リターンの販売価格
↓
クリエイター(メーカー)紹介
↓
Q&A
↓
当プロジェクトにおけるリスクとチャレンジ
↓
プロジェクト実行者の紹介、想い
例えば、以下のアウトドアシューズが、ほぼこの構成でLPを作成しています。上記の構成と見比べてみてください。
【クラファンLP見本】海や山、雨や雪でもこれ一つ!次世代防水アウトドアシューズ『DRYMILE』登場!
このLP構成は、以下の記事の「読まない」「信じない」「行動しない」の考えを元に構成していますので、こちらの記事も併せて読むと理解が深まるでしょう。
上記の各構成のパーツについて、重要なところを簡単に解説します。
LP冒頭箇所(どのような商品なのか、開発ストーリーなど)
LP冒頭箇所は、サムネイルとタイトルの直下に該当する部分で、「読まない」「信じない」「行動しない」のうち、「読まない」の壁を超える重要なパーツです。
サムネイルやタイトルの次に重要なパーツと言っていいでしょう(だから冒頭に書く)。
ここでは、いきなり商品説明したり、メカニズムを説明したりするよりは、以下のように支援者に共感が得られる内容を表現していきましょう。
- 支援者の悩みを解決できる商品であること
- 今までの製品のデメリットを解決した商品であること
- 海外クラファンでは多くの支援を集めたなどの権威付け etc……
以下の記事のPASONAの法則についてご覧になると、理解が深まります。
商品の特徴や機能の説明・利用シーンの想起
ここで、ようやく商品の説明になるのですが、上記のように画像を使い、わかりやすく構成するようにしてください(場合によってはフリー素材の画像でも可)。
あまりテキストだらけでは読まれず、興味を持たれません。
また、特徴や仕様だけを説明するだけでは興味を持たれません。
支援者にとってのメリット(ベネフィット)が何なのか、これまでの製品と違って何が良いのかを簡潔に表現するようにしてください。
製品概要・スペック・使い方
商品の機能をまとめて図などでわかりやすく掲載します。
サイズ、重量など、実際の製品の画像などを使用して図のような形でわかりやすく制作します。
自分に合ったサイズや重量の選び方なども解説されていると、支援者がどれを購入したらいいか迷わなくていいでしょう。
また、上の図のように「やり方」「使い方」なんかも画像や動画で簡単に解説していると親切です。
各リターンの販売価格
どのようなリターンがあるのか、わかりやすく画像で制作します。
通常価格より割り引いている場合は、いくら割り引いて、何%OFFなのか、というところまで表現しましょう。
また、期間の期限や、個数に限定がある場合は、その旨も記載してください。
クリエイター(メーカー)紹介
どのようなクリエイター、ブランドなのかを魅力的に説明します。
すでに多くの国で販売しているなど、プラスになる内容があれば記載し、開発秘話、想いなんかもできれば記載するようにしましょう。
クリエイターなど開発者の顔がわかる画像やメーカーロゴがあれば、信頼性向上のため必ず使用してください。
Q&A
Q&Aについては、以下のことを心がけてください。
- 購入に対して見込み客が必要とする情報は必ず載せる
- 情報不足での離脱防止
- Q&Aは6項目以上
ただし、記載するQ&Aはなるべく、支援者にとってポジティブな情報が得られる質問に限定してください。
【OK例】
Q:専用袋は付きますか?
A:はい、ご購入特典として付属しています。
【NG例】
Q:専用袋は付きますか?
A:ありません。ご自身で用意してください。
当プロジェクトにおけるリスクとチャレンジ
クラウドファンディングの支援はキャンセルできないことや配送予定が遅れる場合があることなど、のちに想定されるトラブルを未然に防ぐための注意書きを入れます。
なお、他に商品によって注意点があれば記載してください(モニターによって色の見え方が実際と違う、革製品で個体差があるなど)。
※リスクとチャレンジのテキストは、過去のプロジェクトのコピペでOK
プロジェクト実行者の紹介、想い
プロジェクト実行者(あなた)の自己紹介、そしてクラファンに対する想いを簡単に記載します。
ここでも、実行者の顔がわかる写真を使用するようにして、信頼度を上げるようにしてください。
※テキストは過去のプロジェクトのコピペでOK
【まとめ】クラファンLP作成の型を知ろう
以上、クラウドファンディングで重要となる、クラファンページ(LP)作成の手順と方法についてお伝えしました。
ただ闇雲にLPを作成するより、型を知って手順に従って作成していった方がスムーズにタスクを進めることができます。
この記事を読んで、
- 自分のプロジェクトではどう落とし込んでいけばいいのか?
- この商品の訴求ポイントやベネフィットはどう表現すればいいのか?
- 自分の場合は、どうすればもっと支援を得られるか?
などの質問があれば、無料相談は随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。