物販事業や店舗ビジネスなど、初期費用が必要なビジネスで起業する際、昔は融資や補助金・助成金が一般的でした。
しかし、今は購入型のクラウドファンディングで起業に必要な資金を調達することも一般的です。
購入型クラウドファンディングでは、先に支援者から支援金を集めてからリターン商品を提供するので、初期費用を用意しなくていいのでリスクがありません。
しかもクラウドファンディングの場合は資金調達できるだけでなく、リスクなくPRやテストマーケティングにも役立ちます。
本格的に市場に展開する前に、商品・サービスの需要を確認して、販促に繋がるので起業に適した方法と言えます。
そこで、今回はクラウドファンディングの起業で必要なものや、成功への道筋について解説します。
起業したい人や、リスクなく新商品やサービスの需要をたしかめたいという方は最後までご覧ください。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- クラウドファンディングの起業で必要なものがわかる
- クラウドファンディングの成功の道筋がわかる
クラウドファンディングの起業で最低限必要なもの5選
ここでは、クラウドファンディングの起業する際に必要なものを紹介します。
とはいえ、特別なものが必要というわけではないのでご安心ください。
なお、物販クラウドファンディングで必要なものについては以下の記事も参考にしてください。
メーカーと交渉してリターン商品を仕入れる際は、交渉用で独自ドメインのメールアドレスやホームページが必要となります。
支援者が欲しいリターン商品やサービス
当たり前ですが、クラウドファンディングでは、支援者が欲しいと思える魅力的なリターン商品を用意しなくてはいけません。
クラウドファンディングには、大きく分けて、購入型、寄付型、金融型に分けられます。
そのうち、起業する際に一般的に利用されるのは、支援金と同等の価値のリターン商品を提供する購入型クラウドファンディングです。
※詳細は以下の記事をご覧ください。
ここで、重要となるのが、単なるリターン商品ではなく、支援金と同等の価値のあるリターン商品ということです。
支援者がリターン商品に価値を感じなければ、どんなに想いが詰まったクラファンプロジェクトでも、支援は得られません。
つまり、消費者にニーズがあるリターンにしないと支援は得られないということです。
クラウドファンディングは、新規性の高い商品が多いからか、「自分の好きなものをやりたい」というプロダクトアウト視点のリターン商品がたくさんあります。
たしかにクラファン市場は、プロダクトアウトな商品も受け入られやすいところがあります。
しかし、購入型クラファンの支援者は「あなたの想いに応援したい」というより「こんな商品やサービスが欲しかったから応援したい」という気持ちで支援します。
そのため、支援者の需要に合ったマーケットイン視点のリターンを提供することが重要です。
広告費
クラウドファンディングは、商品仕入れなどの初期資金はたしかに不要ですが、広告費などの資金は必要です。
広告費をかけなくてもクラファンは起案できますが、いくら魅力的なリターンを設定しても、支援者は知ることができなければ支援できません。
自分のSNSで拡散するなど無料の施策もありますが絶対数で限界はあるので、プロジェクトを広めようと思うなら広告費をかけた方がいいでしょう。
広告費は、だいたい数万円~数十万円程度かかりますが、コントロールできるので予算の範囲内で販促するようにしてください。
詳しいことは、以下の記事をご覧ください。
業務に支障がない程度に快適なパソコン
クラウドファンディングはインターネットを介した資金調達になるので、当然ですがパソコンとネット環境は欠かせません。
どんな職種でも起業したらパソコンは欠かせないので、業務に支障がない程度のパソコンは用意しておきましょう。
しかし、凝った動画編集を自分で行うことがない限りは、最新で高性能のパソコンは必要ありません。
ご自身で使ってストレスのない、処理速度の速いタイプを選ぶようにしてください。
クラファン用のLP
どのクラファンサイトでプロジェクトを起案するにしても、クラファンLPは必要になります。
リターンの商品力は大前提ですが、どんな人に訴求して、どんな効果を得ることができるかは、LPでしっかりと伝えないといけません。
初めてクラファンプロジェクトを立ち上げる際は、LPの作成は戸惑うかもしれません。
しかし、大まかな構成を理解して、どんな内容を掲載すればいいか型を理解するとスムーズに作成できます。
詳細は以下の記事をご覧ください。
クラファンの申請で必要な書類
クラファンサイトによって少し違うものの、クラファンの申請をする際は、以下の書類の提出が必要となります。
- プロジェクト申込書
- 運転免許証などの本人確認書類
- 住民票の写し、記載事項証明書(個人の場合)
- 印鑑登録証明書(個人の場合)
- 履歴事項全部証明書あるいは商業登記簿謄本(法人の場合)
その他、海外商品の物販クラウドファンディングでは商品サンプルや独占販売契約書、輸入規制突破に関する証明書が求められることがあります。
クラファンサイトによって若干の違いはあるので、詳細は各クラファンサイトで確認してください。
クラウドファンディング成功への7ステップ
クラウドファンディングで起業して成功するには、次の流れでタスクをこなしていきましょう。
【STEP1】プロジェクトの内容とリターン商品を決める
まずは、クラウドファンディングのプロジェクトの内容とリターン商品を決めます。
例えば物販であれば、リターンとなる商品を何にするか決めて、メーカーと独占契約する必要があります。
先ほどもお伝えしたように、購入型クラウドファンディングでは支援者が欲しいと思えるリターンを設定することが重要です。
【STEP2】リターン設定と各々の価格設定をする
リターン商品を決めたら、詳細なリターンの設定と価格設定を行います。
物販であれば、「仕入れ価格×3倍」を定価の基準にして、早期の支援獲得によるプロジェクトの賑わい感を意識して早割、超早割など様々な価格設定を行います。
同じ商品でも、販売個数を限定して先着順に安価なリターンから購入してもらうことで、早期に支援が集まりやすくなります。
そうなると、「みんなが支援するなら自分も支援したい」というバンドワゴン効果が働き、しかもクラファンサイト内の露出が増えます。
そうすると、支援が増えるほど、支援が集まる好循環を生み出します。
このように、クラファンでは、プロジェクト初期でいかに支援を集めるかが重要になります。
その他、購入型クラウドファンディングのリターン設定については、以下の記事をご覧ください。
価格設定では起案者の利益が十分残るように、広告費なども考慮してしっかり利益計算するようにしましょう。
【STEP3】クラファンサイトを決めて申請する
プロジェクトの内容とリターンの価格設定が固まってきたら、利用するクラファンサイトを決めて申請しましょう。
多くの場合は、大手のMakuake、GREEN FUNDING、CAMPFIREがおすすめです。
物販であればMakuakeかGREEN FUNDING、飲食店であればMakuakeかCAMPFIREなど、プロジェクトによって相性が違います。
自分のプロジェクトと相性のいいクラファンサイトを決めるようにしましょう。
【STEP4】クラファンLPを作成する
クラファンサイトの申請と並行して、クラファンLPの作成も着手します。
先ほどお伝えしたように、クラファンLPは型があるので、成功プロジェクトのLPを参考にしながら、支援者のニーズを意識してLPを作成してください。
手順としては、LPの下書きを作成してから、デザインを外注します。
場合によってはライティングとデザイン両方外注することもあります。
詳細は以下の記事をご覧ください。
【STEP5】プロジェクト開始前に事前集客する
クラウドファンディングでは、いかにスタート初期に支援を集めることができるかが重要です。
先ほどお伝えしたように、バンドワゴン効果やクラファンサイトの集客力で支援が集まるほど、どんどん支援が集まる仕組みになっているためです。
そのため、プロジェクト開始前から以下のような施策を出すようにしましょう。
- Facebook広告⇒ティザーLP⇒LINE登録
- 自分のSNSで拡散する
- プレスリリースを出す
特にプロジェクト初期で支援を集めたいのであれば、広告費を使って「Facebook広告⇒ティザーLP⇒LINE登録」という流れで、見込み客を集めておくことです。
LINEで集めたリストに、プロジェクト開始前から期待感を高めて、開始と同時に支援してもらう施策です。
どれだけ力を入れるかは予算次第ですが、支援1,000万円を超えるプロジェクトは、だいたいこの施策など十分事前集客をしてからプロジェクトを開始しています。
成功しているプロジェクトは、ただ何となく成功しているわけではありません。裏側ではしっかり計画、実行されているのです。
詳細は以下の記事をご覧ください。
【STEP6】プロジェクト開始後も宣伝を続ける
プロジェクトが開始後も、できれば様々な施策で宣伝して集中力を切らさずに支援を集めてください。
- 自社広告(主にFacebook広告)
- クラファンサイト提供の有料広告
- プレスリリース
- メディアへの投げ込み
- YouTuberギフティング施策
- SNSプレゼント企画
- まめに活動報
クラファン期間中は、初期のスタートダッシュ期間を過ぎると支援が落ち着きますが、終了間際は駆け込み需要で再び支援が集まりやすくなります。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
【STEP7】安全・確実にリターンを提供する
プロジェクトが終了したら、支援金を原資にして安全・確実にリターンを提供しましょう。
活動報告などで支援者へのお礼を忘れないようにしてください。
なお、物販系の商品の遅延などのトラブルがあれば、速やかに活動報告欄などで報告して、その後の進捗を知らせてください。
リターンを提供できる時期や生産状況などを速やかに報告すれば、炎上が起きることはほとんどありません。
トラブルが起きたときこそ、落ち着いて誠実な対応をしましょう。
【まとめ】クラウドファンディングを利用して起業はできる
以上、購入型クラウドファンディングで起業する際に必要なものと、成功へのステップについてお伝えしました。
購入型クラウドファンディングでは、特に以下の3点が成功の重要なポイントになります。
- 支援者のニーズを満たすリターンを提供する
- リターン商品の魅力を表現するLPを作成する
- 広告などで支援者にプロジェクト内容を知らせる
この3点が揃うと、1,000万円以上の支援も夢ではないので、一つひとつ着実にタスクをこなしていきましょう。
なお、物販系のクラファンプロジェクトについては、拙著「物販×クラウドファンディング実践大全」に詳しく掲載しています。
また、物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。