クラウドファンディングは、起業したばかりの個人事業主がリスクなく活用して成功するにはとても有効な手段です。
例えば物販系の購入型クラウドファンディングでは、先に支援金を集めてからリターン商品を発送するので、在庫リスクを抱えることがありません。また、初期資金の不安もほとんどありません。
しかも、一般的なせどりや転売と違って社会的な信用が高く、有名な企業と大型の取引ができるなど、一般販売に展開できます。
つまり、失敗しても失うものがほとんどないので起業したばかりの個人事業主でも、副業中でも挑戦しやすく、しかも大きなビジネス展開の可能性があります。
そこで、起業したばかりの個人事業主でもクラウドファンディングでリスクなく成功するコツを解説します。
【この記事を読むことで得られるメリット】
- 個人事業主や初心者がクラウドファンディングで成功するコツがわかる
- リスクを極力ゼロにしてクラウドファンディングを行うコツがわかる
起業したての個人事業主がクラウドファンディングで成功する3つのポイント
冒頭でお伝えしたように、クラウドファンディングは起業したての個人事業主でも挑戦するには最適なプラットフォームです。
そのため、自信がなくても不安なく挑戦できるのですが、以下の点は意識して取り組みましょう。
最初は国内外のクラファンサイトをたくさん見る
起業したての個人事業主の方が、最初にやることが、国内外のクラファンサイトをたくさん見て、どんな商品に支援が集まっているか見ることです。
クラウドファンディングで販売できるのは新商品か日本未上陸の商品です。amazon物販のように既製品の売れ行きを確認して仕入れ判断するということができません。
クラファンサイトの支援額、支援数のようなものを目安にしながら、日々目利きを鍛えることが重要です。
毎日少しずつクラファンサイトを見る
日頃からMakuakeやGREEN FUNDINGなどの国内クラファンサイトでどんな商品が売れているかをチェックしていきましょう。
初めてプロジェクトを起案するまではリサーチ以外はやることがないので、とにかく毎日少しずつでも大きな支援を得られたプロジェクトに触れてください。
ただリサーチするなら判断基準はあった方がいいので、詳しいことは以下の記事をご覧ください。
上記の記事内容を理解してMakuakeやGREEN FUNDINGを日頃から見るようにすると、リサーチの精度が高くなります。
できれば、以下の記事に紹介しているように、RAKENEWやBouncy、GIZMODO JAPANのようなWebメディアもチェックしてください。
クラウドファンディングで注目されている商品が紹介されることが多く、大いに参考になるでしょう。
支援を得られたプロジェクトのLPもチェックする
日頃からクラファンのプロジェクトをチェックするのは、商品の目利きを鍛えるだけでなく、クラファンLP作成時も役立ちます。
クラウドファンディングは、商品力、LPの訴求力、集客力(SNS広告など)の3つがかけ合わさって大きな支援が集まります。
極端に言えば、3つのいずれかがゼロであれば、支援額はゼロで終わりますし、実際にLPの訴求力の有無で支援額は大きく変わります。
LPの構成については以下の記事を参考にしながら、ぜひLPもチェックしてみて、いいLPは保存するようにしましょう。
輸入品ならKickstarterやIndiegogoをチェックする
MakuakeやGREEN FUNDINGの売れ筋商品をチェックしながら、KickstarterやIndiegogoを中心に商品リサーチをしましょう。
韓国のWadizや台湾のzeczecなど、他にもリサーチした方がいいクラファンサイトがありますが、最初はプロジェクトが豊富なKickstarterやIndiegogoだけでもいいでしょう。
MakuakeやGREEN FUNDINGで成功したプロジェクトをチェックすると、だんだん成功しやすい輸入品の特徴がわかってきます。
海外クラファンの達成支援額をヒントにしてできるだけ多くの商品をリサーチして、最初はメーカーにアプローチしましょう。
KickstarterやIndiegogoのリサーチ方法については、以下の記事をご覧ください。
取引候補先のメーカーを不安にさせない
物販系のクラウドファンディングの場合は、日本未上陸、もしくは新商品を作っているメーカーにアプローチすることが必須です。その際に大切なことがメーカーを不安にさせないことです。
その際、起業したての個人事業主の方がやりがちなのが「初心者ですががんばります」という発言です。
たしかに最初は誰でも初心者ですが、「初心者なので……」と腰の引けた発言をすると、メーカーは「大丈夫か?」と不安になり取引したいと思いません。
実際に自分の立場で置き換えてみると「初心者ですががんばります」というより「お任せください」という人とビジネスをしたいはずです。
具体的には、次のようなことに注意してメーカーと交渉しましょう。
- メーカーとの交渉では「初心者」という言葉は使わずに自分やメーカーともにメリットのある提案をする
- ホームページでは今後の展望や自分の想いを記載して、初心者の雰囲気を出さない
- メールは独自ドメインにする
初心者マインドが残っていると、物販クラファンのテクニックの観点でも不利になります。繰り返しますが、クラファンは失敗しても失うものはないので、堂々とメーカーにアプローチしていきましょう。
メーカーとの交渉については、以下の記事をご覧ください。
とにかくたくさんのメーカーにアプローチする
商品リサーチして、「これは日本でも売れそうだな」と思ったら、どんどんメーカーにアプローチしましょう。
とにかく最初は実践してPDCAを回して改善を繰り返すことが重要です。一番の成功の近道は、できるだけ早くプロジェクトを経験することです。
目安は月に50社程度のメーカーに打診することです。1日1~2社はアプローチすることになりますが、最初は「数撃てば当たる」「当たって砕けろ」の心構えで進めてください。
Kickstarterで支援額10万ドル以上など、大成功のプロジェクトのメーカーばかりにアプローチしても取引はなかなか成立しません。
同様のオファーがたくさん来ているので振り向いてもらえない可能性が高いですし、交渉できても、仕入れ価格や最低発注数量(MOQ)などで強気の姿勢の可能性が高いです。
ですので、支援額3~5万ドルの商品を扱うメーカーにアプローチするようにすると、取引が成立する確率は高くなります。
このように、取引しやすいメーカーからアプローチするのが効率いいですが、失うものはないので、たまにライバルが多そうなメーカーにアプローチするのもありです。
経験を重ねれば、より得意分野を扱うメーカーなどに絞っていくのもいいですが、最初はとにかくアプローチして経験を重ねましょう。
もっとリスク軽減してクラウドファンディングを成功させる3つのポイント
クラウドファンディングは、支援を得られた分だけリターン商品を販売すればいいので、リスクなく新商品のPR・テストマーケティングが可能です。
ただ、まったくリスクがないわけではないので、よりリスクを抑えて挑戦できる方法について簡単に解説します。
在庫は極力抱えないために無理な取引をしない
クラウドファンディングの大きなメリットの1つが、冒頭でお伝えしたように在庫リスクを抱えなくていいことです。
しかし、これはメーカーと交渉してMOQを支援数とした場合で、当然MOQが想定支援数以上になれば在庫リスクを抱えることになります。
そのため、メーカーとは「MOQ=クラファンの支援数」となるように交渉し、どうしても厳しいなら支援の想定数を保守的に評価することになります。
魅力的な新商品ほど在庫リスクを取ってでも取引したくなる気持ちもわかりますが、まだ世に出ていない商品で在庫を抱えるのは既存品以上のリスクを伴います。
だからこそクラウドファンディングでは無在庫の予約販売にしているので、無理をして取引しないようにしましょう。
詳しくは、以下の記事に掲載しているので合わせてご覧ください。
クラファンにかかる経費を計算して利益予測する
物販クラファンの場合は、せどりや転売のような他の物販と同様に、仕入れ代金以外の様々な経費がかかります。
代表的なところはクラファン利用手数料や広告費、LP制作費などですが、このような経費も考慮に入れて利益予測するようにしましょう。
ただ、物販クラファンの場合は、amazon物販などと違って仕入れ代金と販売価格をコントロールできるので自由度が高いです。
詳しいことは以下の記事をご覧ください。
助成金・補助金活用
最近は各自治体でクラファンに特化した助成金・補助金が増えており、クラファンでかかった経費の一部を受給できる制度があります。
代表的な助成金が、東京都管轄の、次のクラウドファンディング助成事業です。
東京都に住んでいなくても申請可能で、MakuakeやGREEN FUNDING、CAMPFIRE、machi-yaのプロジェクトも対象です。
条件に合っていることを確認して申請すればほぼ受給できるので、積極的に活用しましょう。
助成対象経費 | 助成金額 | |
クラウドファンディング活用助成金 | クラファン利用手数料、LP作成費用、広告費用 |
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クラウドファンディングDX助成金 | IoT、AI、ロボットなどのデジタル技術を活用した場合のクラファン利用手数料、LP作成費用、広告費用 | 助成対象経費の 2/3 (上限50万円) |
クラウドファンディング再構築助成金 | 2020年2月以降の任意の3カ月の各月の売上高が、2022年1月以前の直近同月の売上高と比較し、それぞれ5%以上減少した場合のクラファン利用手数料、LP作成費用、広告費用 | 助成対象経費の 2/3 (上限50万円) |
※2022年12月現在
これらの助成金は、それぞれ別のクラファンプロジェクトで、かつ違う商品であれば3つとも申請が可能です。
同じ商品のプロジェクトとなるクラファンおかわりなどでは活用できないことになりますが、条件によっては計3回申請が可能になります。
しかし、2022年現在の助成金で、2021年はクラウドファンディング活用助成金しかなかったので、2023年以降も変更される可能性があります。
今後、この助成金がなくなる可能性もありますが、その場合は各自治体でも類似の補助金・助成金があるので探してみてください。
また、国としてクラウドファンディングを利用する起業家を支援しようという流れになっているので、今後新たな助成金が利用できる可能性もあります。
クラファンに特化した補助金・助成金以外では小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠含む)がおすすめです。ただし、小規模事業者持続化補助金は審査結果次第で不採択になることがあります。
【まとめ】失敗してもリスクはないのでまずは挑戦しよう
以上、起業したばかりの個人事業主がクラウドファンディングで成功するコツと、限りなくリスクを抑えるコツについてお伝えしました。
クラウドファンディングは、他の物販に比べるとタスクが多いのですが、まずは最初に取り組む際の知識と心構えに絞って解説しました。
より詳しいコツを知りたい方は、本記事中に紹介した関連記事をご覧ください。
ただ1つ言えることは、クラウドファンディングはとにかく在庫リスクがないので失敗を恐れる必要がないことです。
実践しながら身に付けた方が早いノウハウも多いので、とにかく実践してアウトプットしながら経験値を上げていきましょう。
物販クラファンについては、無料相談を随時受け付けています。興味のある方はお問合せフォームより気軽にご連絡ください。