始め方・資金の全体像 / 手順

輸入総代理の始め方|商品探し・交渉・資金計画の手順

輸入総代理の始め方|商品探し・交渉・資金計画の手順

輸入総代理を始めるなら、海外の商品を探し、メーカーと販売条件を決め、クラウドファンディングで日本の反応を確かめる順で進めます。最初に詰めたいのは、独占販売権が取れるかだけでなく、売れた数に合わせて仕入れられるか、支払いまで資金が持つかです。

これから海外メーカーと取引し、自分で日本の販売を始めたい人に向けて、最初の連絡から販売準備までを書きます。

順番やること次へ進む前に確かめること
商品探し海外メーカーの商品と販売状況を見る日本で誰に、どんな良さを伝えるか
最初の連絡日本での販売を提案する相手に話を進める意思があるか
条件の交渉販路・仕入れ数量・価格・支払時期を話す自分が負える条件か
商品と掲載条件の確認サンプル、必要な手続き、契約を確認する商品を日本で販売・配送できるか
資金と日程の確定支出と入金を日付順に並べる売れる前のお金と、入金待ちのお金が足りるか
販売準備商品ページと集客を作るメーカーと合意した内容を実行できるか

1. 初めての輸入総代理は、作るより売る経験を先に積む

最初から自社ブランドを作るより、海外メーカーが作った商品を日本で売る方が、販売に集中しやすい。僕が初心者に総代理を勧めるのは、その順番で経験を積めるからです。

自社商品を作ろうとすると、企画だけでは済みません。工場を探し、試作を直し、品質を確かめ、生産数量を決める。その間、まだ一度も売っていないのに、時間と資金を使います。

総代理なら、製品の開発・製造をメーカーが担います。こちらは、日本でどう見せれば伝わるか、どこで売るか、買った人にどう届けるかを考えられる。ただし、品質や納期を確認しなくてよいという意味ではありません。売る側として商品を見ておく仕事は残ります。

僕自身は総代理も自社ブランドもやっていますが、全員が最後に自社ブランドへ行く必要はないと思っています。まず総代理で売る経験を積む。その先で、自分の商品を作りたければ考えればいいし、相性の良いメーカーと取引を続けるのもいい。

だから最初の商品探しでは、「自分ならもっと良いものを作れるか」まで抱え込まないことです。すでにある商品の良さを理解し、日本で売る仕事に取り組めるかを見る方が、最初の一歩が具体的になります。

2. 商品探しは、海外クラファンのメーカーから広く当たる

最初は一社に決め込まず、海外でクラファンに取り組むメーカーを候補にして、話が進む相手を探します。商品が良く見えても、取引条件まで自分に合うとは限らないからです。

海外クラファンのメーカーには、新しい販路を求める新興企業がいます。日本への展開を提案した時に、話をする理由を持っている相手です。すでに販路が固まったメーカーへ同じ話を持っていくのとは、出発点が違います。

僕は2019年のセミナーで、通常の海外メーカー仕入れと比べ、クラファン向けのメーカーは4〜5倍ほど決まりやすいと話しました。これは当時の体感で、集計した成約率ではありません。今も同じ倍率になるという話ではなく、探す相手によって交渉の進み方が違う、という経験です。

候補を見つけたら、商品ページの写真だけを眺めず、説明と使い方を見ます。自分が日本で紹介するとしたら、どこを伝えるか。相手への連絡にも、その商品に興味を持った理由が必要になります。

打診した一社目が、そのまま長く組める相手になるとは限りません。ある程度声をかけ、その中で条件もやり取りも合うメーカーを見つけていく。初めから一社だけに期待をかけると、返信を待つ間に商品探しまで止まってしまいます。

一方で、広く当たり続けるのが最終目標でもありません。僕が会員向けに伝えてきたのは、数多く経験するのは最初で、徐々に注力したいメーカーへ絞ることです。毎回ゼロから商品を探すだけでなく、同じメーカーの商品を継続して売るところまで考えます。

3. メーカーへの最初の連絡は、日本で何を引き受けるかを書く

連絡では、仕入れたい気持ちだけでなく、日本で売るためにこちらが担う仕事を伝えます。日本語での商品説明や購入後の対応は、海外メーカーが自分だけで進めるには負担になる部分です。

こちらに大きな実績がないと、メーカーに声をかけること自体をためらうかもしれません。でも、相手が欲しいのは日本で販売を進めてくれる人です。規模の話をする前に、何を提案するのかを用意した方が、やり取りは始めやすい。

僕はメーカーへの説明として、次の言い方を伝えています。

御社の商品は素晴らしいが日本での販売実績がないため、テスト販売としてクラウドファンディングで日本の反応を見てみましょう。

日本での販売実績がないことを確認できた商品に使う言い方です。自分が在庫を持ちたくないから、という説明だけで終わらせず、メーカーも日本市場の反応を見られる提案にします。

最初の連絡を作るなら、例えば下のように組めます。これは実際に送ったメールの転載ではなく、上の考え方をもとにした日本語の文面例です。商品名や対応できる仕事は、自分の状況に合わせて入れ替えてください。

件名:[商品名]の日本での販売について

ご担当者様

[氏名・会社名]と申します。
[商品名]を拝見し、[具体的に興味を持った点]に魅力を感じ、ご連絡しました。
日本での販売についてお話しできればと思っています。

日本での代理店や販売状況を教えていただけますでしょうか。
未展開でしたら、クラウドファンディングで日本のお客様の反応を確かめ、その後の販売につなげる方法をご相談したいです。

こちらでは[日本語の商品紹介・購入者対応など、実際に担える仕事]を担当する計画です。
ご関心がありましたら、販売条件についてお話しする機会をいただけますと幸いです。

[署名]

実績や販路を大きく見せるために、まだないものを書く必要はありません。これから用意する仕事なら「計画」、すでに持っているものなら「実績」と分けて伝える。その方が、返事が来てからも説明を続けられます。

僕が「売ってやるくらいの気持ちで」と言うこともありますが、それは心構えの話です。失礼な文面を送れという意味ではありません。丁寧に連絡しながら、こちらも日本での販売を引き受ける相手として話を進めます。

4. 初回交渉は、メーカーから聞かれる7項目を用意する

メーカーからの質問は、大まかな型があります。会社概要、売上、販路、販売計画、サポート範囲、サポート費用、過去の実績。この7項目に対して、自分の回答を先に作っておくと慌てにくいです。

僕も初めてメーカーから返信が来た時は、かなりドキドキしました。何を聞かれるか分からないまま返事を待つのと、よく出る質問を知って待つのでは違います。実際の交渉で質問されてきた項目を、準備する内容と並べるとこうなります。

聞かれること回答に向けて整理する内容
会社概要誰が、どんな事業として日本で販売するか
売上・年商現在の事業の数字。これから始めるなら、その段階であること
保有する販路すでに販売している場所と、これから使う予定の場所
セールスプラン誰に商品を紹介し、クラファンで何を試し、その後どう売るか
サポートの範囲日本語の問い合わせ、商品説明、購入後の対応で担えること
サポートにかかる費用どの仕事を誰が負担する想定か。未定なら何を相談したいか
これまでの実績見せられる販売実績。ない部分を、あるように書かない

右の列は、回答を作るための整理例です。まだ決まっていない項目があれば、決まっていないままにせず、提案を作るか、メーカーに確認することとして残します。

例えば、販路に「クラファン」と一語だけ書いても、相手にはその後の仕事が見えません。日本語の商品紹介を用意するのか、購入者からの質問を受けるのか。サポートの範囲とセットで説明すると、メーカーもこちらの役割を判断できます。

この段階の話が進んだら、最低発注数量であるMOQと、独占販売の条件を詰めます。交渉は人同士の話なので、7項目以外の質問も来ます。ただ、相手ごとの細かい要望は、一緒に進める方向が見えてから出てくることが多いです。メーカー交渉の進め方も、回答を準備する時に併せて読んでください。

5. MOQ・サンプル・独占期間は、販売できる条件まで詰める

独占販売権が取れそうでも、大量の仕入れが条件なら、そのまま契約へ進まない。売れた数に合わせた仕入れが可能か、現物を確認できるか、販売に必要な期間が取れるかを見ます。

総代理でクラファンを使う良さは、売れた数を見てから仕入れる形を交渉できることです。メーカーがその条件に合意していることが前提で、クラファンを使えば自動的に少量発注できるわけではありません。

僕も最初は、MOQが多いと分かっていても、契約が近づくと「こうすれば売れるかも」「こうやれば在庫をさばけるかも」と考えたことがあります。交渉に使った時間も、そのメーカーへの思い入れもあるので、手放したくなくなるんですよね。

でも、契約することが目的になると、悪い条件を受け入れる理由を自分で探し始めます。そこで見るのは、ここまで何通メールしたかではなく、この条件で始めて利益が残るか。条件が合わなければ、別のメーカーへ切り替えていいんです。

サンプル代も、最初から無料の前提にはしません。僕の判断は、相手が乗り気で、まだ金額が出ていない段階なら無料提供を相談する余地はある、というものです。難航している交渉で、その一言が原因で話が変わりそうなら控える。相手から金額が提示された後は、そこで値切る交渉はしません。

MOQや価格の条件をすり合わせ、その後にサンプルの話をする。無料になるかを先に争うより、進められる取引なのかを先に判断したいところです。

日本での販売に必要な手続きも、現物や資料とともに確認します。例えば電気用品は、CEやULがあるだけで日本の手続きが済むわけではなく、対象となる輸入事業者には電気用品安全法上の義務があります(2026-10時点・経済産業省関東経済産業局)。

掲載条件もサイトごとに確認が必要です。Makuakeでは、輸入代理で海外メーカーの商品を掲載する際、日本市場での独占契約と、その内容を確認できる書類が求められます。独占期間はリターンの配送完了までを含めて確認します(2026-10時点・Makuake公式)。

別サイトでの再販売まで計画するなら、メーカーとの交渉段階で伝えておきます。最初の募集が終わってから話すと、契約期間が足りなくなることがあるからです。複数回の実施ができるかは各サイトの条件も確かめ、その日程が収まるように交渉します。

6. 必要資金は、費用の総額と支払日を一緒に見る

必要な資金は、仕入れ代だけを見ても決まりません。商品を売る前に出る費用と、売れた後に入金されるまで立て替える費用を、分けて書き出します。

下は金額を入れるための表です。サンプル代や送料は商品で変わるので、共通の相場で埋めず、相手の見積もりを入れていきます。

費用何を確認して金額を入れるか資金計画で見ること
サンプル代・取り寄せ送料メーカーからの提示額売上が立つ前に支払う額
商品ページ・撮影などの制作自分で行う範囲と委託の見積もり着手時・納品時などの支払日
広告・事前集客実施する内容と予算募集開始前から出ていく額
商品の仕入れ単価、発注数量、支払条件入金前に必要な額と、入金後に払える額
海外からの輸送・国内配送荷物の条件と配送の見積もり商品代以外に配送まで必要な額
関税・輸入消費税等商品の分類・価格などに応じた確認輸入時の支払いを含める
必要な検査・手続き商品が対象か、必要な作業は何か契約前に費用と日程を確認する
クラファンの手数料掲載先の現行条件集まった額が、そのまま手元に残るわけではない

輸入時の関税・消費税等は、商品の代金とは別に計算が必要です。具体的な税額は条件で変わるため、表には確認した額を入れます(2026-10時点・税関の税額計算案内)。

Makuakeの手数料は応援購入総額の20%(税抜・決済手数料込み)です。ページ制作、広告配信代行、梱包・配送などは、この手数料に含まれません(2026-10時点・Makuakeの料金案内)。他のサイトにも同じ率を当てはめず、使う先の条件で計算してください。

前払いや在庫をどこまで受け入れるかは、金額だけで決められません。僕が説明に使うのは、資金が1,000万円ある人の在庫100万円と、資金が100万円しかない人の在庫100万円では、負担が違うという例です。これは100万円までならよいという推奨額ではありません。

在庫を買うことで独占販売権が得られる取引を、一律に否定しているわけでもない。同じ支出をしても、次に使える資金が残る人と、残らない人がいます。一方、商品代に充てられる前払いと、契約を結ぶためだけの保証金は別で、後者を求められたら僕はやめる判断です。

金額を入れてみると、最初に用意するお金が足りないのか、入金までの一時的な立て替えが大きいのかが分かります。クラファンの費用を読む時も、合計だけでなく、いつ必要になるかを一緒に見てください。

7. 日程は、交渉開始から募集終了・入金・配送まで並べる

クラファンの日程は、募集の開始日と終了日だけでは足りません。メーカーへの発注・支払いと、支援金の入金、商品の配送までを同じ予定表に置きます。

僕は2019年のセミナーで、交渉開始から終了まで、早ければ3〜4ヶ月、2サイトで実施するなら半年程度、という見通しを話しています。契約後だけを測った期間ではありませんし、今の案件がその日数で終わるという約束でもありません。

工程決める・確認する内容日程がずれる要因
交渉販売計画、数量、価格、支払条件メーカーとの合意にかかる時間
販売準備サンプル確認、必要な手続き、商品ページ、事前集客商品・資料の到着、制作・確認作業
募集公開日、終了日、届ける予定掲載先との調整と準備の進み方
入金・発注入金予定日、発注日、メーカーへの支払日入金を待つ条件で合意できているか
輸送・配送メーカーの出荷から支援者へ届けるまで生産・輸送に必要な時間

Makuakeの通常の入金サイクルは、募集終了月の月末締め、翌月25日です(2026-10時点・Makuakeの入金案内)。実際の着金予定日は、金融機関の営業日なども含めて掲載先に確認して、予定表へ入れます。

メーカーと先に話をつけておけば、支援金の入金後に発注する形も取れます。ただ、「売れた後に発注する」と「お金が自分の口座に入ってから発注する」は同じではありません。後者にしたいなら、その順番でよいかを事前に合意しておきます。

入金を待てば立て替えは減りますが、そこから生産や輸送が始まるなら、届ける日も後ろになります。発注直前には納期・配送方法・不良品対応を再確認する。募集が終わったら仕事も終わりではなく、商品を支援者へ送り切るところまで予定に含めます。

8. 契約が決まったら、商品ページと集客を作り込む

メーカーとの契約が決まったところから、販売の準備が本格的に始まります。商品ページを作り、公開前から商品を知ってもらい、募集と配送を進める段階です。

交渉中は、返事を待つだけにならないように手を動かす。一方、販売準備では、商品をどう説明するかを丁寧に考える。同じ速さで全部片づけようとすると、せっかく取れた商品を十分に伝えられません。

まずはメーカーへ送る文面と、7項目への回答を作ってみてください。空欄があれば、販路なのか、対応する仕事なのか、資金なのか、次に調べることが具体的になります。条件が固まった後の手順は、クラウドファンディングの進め方につながります。

商品探しから販売までの流れをまとめて学びたい方には、僕が運営する講座のセミナーをご案内しています。独占権を取ることだけで終わらせず、売って届け、その先の取引を続けられる条件を作っていきましょう。

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成田光

この記事を書いた人

成田光

在宅でできる物販クラウドファンディングの普及に努めつつ、長年培ってきた独自ノウハウを活かした輸入総代理ビジネスコンサルティングも行っております。

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